《茨城っ子バンザイ》SLもおか撮り鉄 霜田脩真さん(9) 筑西市
■漆黒の雄姿 常に追う
週末の下館駅(茨城県筑西市乙)、真岡鉄道真岡線のホーム。三脚に取り付けた愛機のシャッターボタンに指をかけ、入線してくる蒸気機関車(SL)にレンズを向ける。
同市立竹島小3年、霜田脩真さん(9)は、同市と栃木県茂木町を結ぶ真岡線に魅せられた少年カメラマン。お気に入りはもちろん、土日祝日を中心に運行する「SLもおか」だ。漆黒のボディーと汽笛の音色-。SLのある風景に胸を弾ませ、駅や沿線に足を運び続ける。
よく訪れるのは、天矢場駅(同町)近くの踏切。木々の間から向かってくるように疾走する雄姿を待ち構える。煙を吐き出しながら客車を引く様子に「頑張っているな」と、いつも心を打たれる。
物心つく前から、SLのとりこだった。
1歳の時、下館駅で初めて目にした。母親の祐子さんは喜ぶ息子の姿を見て「もっといろいろ見せてあげたい」と連れ出した。脩真さんは順調に「鉄ちゃん」への道を歩んでいった。
いつしか真岡鉄道の社員とも顔なじみになり、SLの知識も自然と高まっていった。小学校に上がると、カメラにも興味が向いた。祐子さんが持っていたカメラを使わせてほしいとせがみ、見よう見まねで撮り始めた。
鉄道写真が趣味の同社員から撮影のイロハを学び、現場で知り合ったカメラマンからうまく撮るこつを教わった。見る見るうちに上達し、真岡鉄道のSLカレンダーに掲載されるほどの腕前に成長した。最近では、線路沿いの桜やススキを取り込むなど季節を意識しながらシャッターを切る。
将来の夢は「お医者さんと機関士」とにこり。線路のように真っすぐと延びた未来への道を、SLのように力強く進み続ける。