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石岡第一発電所資料公開 雨情、戦時下のはがきも 北茨城で企画展

「石岡第一発電所」の資料などが並ぶ企画展=北茨城市磯原町磯原
「石岡第一発電所」の資料などが並ぶ企画展=北茨城市磯原町磯原


普段は見られない収蔵品を広く公開しようと、茨城県北茨城市磯原町磯原の市歴史民俗資料館は企画展「資料館収蔵品展-私たちの宝物-」を開いている。国指定重要文化財で明治時代に建設された同市中郷町の水力発電所「石岡第一発電所」の資料や、同市出身の童謡詩人、野口雨情(1882~1945年)が戦時下に書いたはがきなど計23点を展示している。同展は2月2日まで。

同発電所は大北川沿いに立地。日立鉱山の事業拡大に伴う電力需要の増加に対応するために建設され、1911年に完成した。日本の近代化に貢献し、現在も使われている。

展示資料は、09年8月に県知事の坂仲輔から同鉱山鉱業権者の久原房之助と代理人の竹内維彦に出された県指令。同発電所建設工事に使う材料運搬のための「軽便牛車軌道敷設」願いに対して出した指令で、大北川の山深い渓谷まで資材を運搬するためにレールを敷設した道を作り、牛に車を引かせていたことが読み取れる。

太平洋戦争に関連して、42年2月に雨情が現在の同市磯原町の幼なじみに宛てたはがきも展示。真珠湾攻撃の翌年に当たり、日本軍がシンガポールを占領した3日後に書かれたはがきで、「星港(シンガポール)も陥落お目出たう存じます」などと記されている。同館は「雨情は平和を愛する童謡詩人であるとともに、軍の連戦連勝に沸く、当時の社会に生きた一人の日本人でもあった」と説明している。戦時中、実際に使われていた水筒や、プロパガンダの戦争絵はがきも並ぶ。

このほか雨情の伯父、野口勝一の「ガマ」の絵画作品や、同市出身の声楽家、ベルトラメリ・能子の独唱会パンフレット、昭和時代の童謡絵本などを紹介している。

展示担当者の一人で、同館職員の沼田華苗さん(42)は「いろんなテーマの展示物がある。人により見方が変わると思うので、自分の視点で見てもらいたい」と話した。

午前9時~午後4時半(入館同4時まで)。月曜休館。入館料は一般320円、学生100円、市外65歳以上200円。市内65歳以上と中学生以下などは無料。



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