漁船転覆、国の調査開始 鹿島沖 不明3人、捜索続く 茨城
茨城県の鹿島港沖合でイワシ漁をしていた大津漁協(同県北茨城市)所属の漁船「第八大浜丸」が転覆し、2人が死亡、3人が行方不明となった事故で、国の運輸安全委員会は7日、救助活動の拠点となった千葉県銚子市で現地調査を始めた。不明の3人は依然見つかっておらず、海上保安庁などは周辺海域で捜索を続けた。
運輸安全委員会は同日午後、銚子港に入り、転覆した漁船の所有者や関係者らへの聞き取りを行った。
銚子市漁協の事務所前で報道陣の取材に応じた同委の井桁正樹船舶事故調査官は「情報がそろっておらず、原因を断定する段階ではない。調査報告書の公表には数カ月から1年程度はかかる」と述べた。
国土交通省によると、第八大浜丸は適切な定期検査を受けていたという。
茨城海保も同日、第八大浜丸と船団を組んでいた「第三十六大浜丸」の乗組員に事情を聞いた。銚子港に停泊している同船に乗り込み、乗組員に事故当時の様子や船の構造を確認し、船内の写真を撮影した。
鹿島海上保安署によると、7日の捜索では巡視船など3隻と航空機1機を投入。県も防災ヘリを出動させた。午後5時半現在、沈没した船や手がかりは見つからなかった。
事故は6日午前2時5分ごろ発生。鹿島港から東約31キロの沖合で第八大浜丸が転覆し、沈没した。乗組員20人のうち17人が救助されたが、50代と60代の日本人男性2人が死亡。40~70代の日本人男性3人が海に投げ出され、行方不明となっている。