《茨城っ子 バンザイ!》毎朝ごみ拾い少年 斎藤大雅さん(11) 龍ケ崎市
■やりがい 街きれいに
茨城県龍ケ崎市立長山小5年の斎藤大雅さん(11)の日課は平日早朝のごみ拾いだ。約2年前から自主的に始め、自宅近くの公園を中心に取り組む。「眠い日もあるけど、きれいになると気持ちいい」とやりがいを話す。
ごみ拾いを始めたのは、3年生の冬休み。長山第三児童公園で毎朝行われるラジオ体操会に参加したことがきっかけだ。体操が終わり、参加者の数人がごみを拾う姿を見て「僕もやってみたいと思った」。見よう見まねで続けるうち、習慣となった。
起床は午前5時50分。同6時半ごろから体操で体を動かし、終了後5~10分ほど園内や周辺、帰り道のごみをトングで拾い、持参した袋に集める。帰宅後に朝食を食べて学校に通うのがルーティンだ。ごみ拾いを始めた頃より、捨てられるごみの量が減ったと感じることも、やりがいの一つという。
年上の体操仲間との交流も、ごみ拾いを続ける後押しになっている。「ありがとうね」などと声をかけられたり、学校での出来事を尋ねられたりするといい、何げない会話が「楽しい」とはにかむ。体操会を運営するメンバーの一人、田中茂さん(73)は「早起きして体操に参加するだけでもすごいのに、こつこつごみ拾いにも励み、偉いなと思う」と目を細める。
昨年春、環境美化への功績がたたえられ一般社団法人「日本善行会」の春季善行表彰を受けた。学校や市から表彰されたこともある。うれしさはあるが「自分がやりたくてやってるだけ。驚いた」と正直な気持ちを明かす。
友達や知り合いに見られると「ちょっと恥ずかしい」。それでも、今のところやめるつもりはない。「できるうちは続けたい」と力を込める。