《茨城っ子 バンザイ!》小学生プログラマー 大沢遥樹さん(12) つくば市
■電車運行 リアル体験
「撮り鉄」「乗り鉄」と鉄道ファンはさまざまだが、独学で覚えたプログラミングの知識を駆使し、パソコン上の「電車シミュレーター」を自作した小学生がいる。
茨城県つくば市立二の宮小6年の大沢遥樹さん(12)。つくばエクスプレス(TX)やJR常磐線など関東近郊の6路線13種類の車両を用意。走行音やアナウンスの声もリアルに再現した力作だ。
「1番線の電車は各駅停車、代々木上原行きです。ドアが閉まります。ご注意ください」。音声が流れた後、ドアを閉め、電車を出発させる。画面上では電車は動かないが、複数の背景を横にスクロールさせて走行感を出している。
キーボードまたはコントローラーの役割を持たせた小型のマイコン基板を握って操作する。電車が加減速する時のモーター音もプログラミング。発車時に音階を奏でる、京浜急行の「ドレミファインバーター」も作る凝りようだ。
制作を始めたのは昨年春ごろ。プログラミングツールを用い、学校の休み時間を使って完成させた。昨年秋のつくば市のプレゼンテーション・コンテストでは準優勝に当たる教育長賞を獲得。レベルの高さに先生たちを驚かせた。
3歳の頃、鉄道博物館(埼玉県さいたま市)に連れられて以来の電車好き。シミュレーターには実際に乗車した路線を組み入れ、高架やトンネルを走る路線は同じような場面を作った。
スピードや次の停車駅名、停車までの距離数なども正確に表し、残距離10メートル以内に停車させて「成功」になるルールだ。
まだまだプログラミングを改良したいと考えている。「次にやりたいのは制限速度を設けての運行と、採点機能の追加です」。熱い思いはこれからも続く。