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茨城県内水道統合 7割合意 市町村など 運営コスト抑制

茨城県庁=水戸市笠原町
茨城県庁=水戸市笠原町


茨城県が進める水道事業の広域連携で、約7割に上る市町村が2025年度中の経営統合に合意する見通しとなったことが8日、分かった。浄水場の統廃合や検針業務の共同発注など経営合理化を進め、運営コストの抑制につなげる。人口減少に伴う料金収入減や老朽化施設の更新により、将来的な水道料金の値上げが避けられない中、水道事業の基盤を強化しサービス維持を目指す。

県は2月、水道事業の経営統合に合意した市町村などと基本協定を締結し、約3年以内の経営統合を進めていく。統合後は県企業局が主に経営を担い、各市町村の水道事業に関する資産や負債、資本を引き継ぐ。当面は、各市町村から職員派遣を受ける。

統合後も水道料金については当面の間、統一しない方針。県水政課によると、2月以降も順次、各市町村との協定締結を進め、来年度中には「7割近くの市町村や水道企業団と合意を図る見通し」という。

経営を統合することで、老朽化した浄水場など施設の統廃合を進め、設備更新や維持管理費用を削減する。市町村がそれぞれ民間委託などしている各戸の使用量を算出する検針や薬品購入、施設のメンテナンスについても、共同発注することで委託料を低減させる。

水道事業は市町村が運営し、経費は基本的に利用者の水道料金で賄われる。県内では44市町村のうち龍ケ崎、取手、牛久、利根の4市町で「県南水道企業団」、石岡と小美玉両市の一部で「湖北水道企業団」が運営する以外は、各市町村が独自に運営している。

人口減少に伴い、水道料金収入は減少傾向にある。県によると、21年度における県内の給水人口は269万人。70年度までに58万2千人減少するほか、1日当たりの最大給水量も同97万2000立方メートルから80万9000立方メートルに減少する見通し。

浄水場や管路など老朽化した設備の更新や耐震化対策も課題だ。21年度の給水原価は、県北地域の一部を除く県平均で1立方メートル当たり200.3円。県は70年度の給水原価について、浄水場の集約を進めた場合に同273.9円と試算し、市町村の単独経営を継続した場合に比べ12.3円分の値上げが抑制できるとしている。

県は水道事業の指針となる「水道ビジョン」で、50年度を目標に市町村を含む全ての水道事業を統合した「1県1水道」を掲げる。同課は「今後、水道料金の値上げは避けられない。各市町村ごとの経営を一体化することで運営コストを削減し、持続可能な水道事業を進めていく必要がある」と話した。



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