「夢のJ1昇格支援」 J2水戸 本間さんクラブ成長に力 新役職CRO就任 チーム強化や地域貢献
サッカーJ2水戸ホーリーホックで昨季現役引退した本間幸司さん(47)が8日、クラブ・リレーション・オーガナイザー(CRO)に就任した。今後はトップチームから育成年代までの指導強化や、地域貢献活動等のフロント業にも携わる。茨城県城里町小勝のアツマーレで報道陣の取材に応じ、「より地域に根差し、魅力あるクラブへ成長させ、1番の夢だったJ1昇格を支援したい」と語った。
クラブのホームタウン・同県日立市出身の本間さんは、市立油縄子小、同多賀中、水戸短大付高(現水戸啓明高)を経て、1996年に浦和に加入した。公式戦の出番がないまま水戸に移籍すると、99年からクラブ一筋の守護神としてJ2歴代最多の577試合に出場。昨季、29年間の現役生活にピリオドを打った。
引退後も慰留したクラブ側と、「地元に恩返ししたい」という本間さんの意向が合致。新役職CROの設置と就任が実現した。これまではクラブ・リレーション・コーディネーター(CRC)が、クラブと地域をつなぐ役割を担ってきた。CROに就いた本間さんは加えて、より現場に近い存在として、クラブの方向性を示す役割が期待されている。既にトップチームの全体練習に参加し、GK練習などでアドバイスを送るなど精力的に活動している。14日から始まる沖縄キャンプにも帯同する。
アカデミー(下部組織)の強化育成にも意欲を示し、「ホーリーホックらしく泥くさく戦うことを植え付ける。僕のように水戸で長くプレーしてくれる選手が増えるようなクラブにしていきたい」と目標を語った。
地域貢献では、引退後から「ホームタウンへの恩返しプロジェクト」と銘打ち、水戸など15市町村の小学校や特別支援学校を訪ね、サッカーボールの寄贈や交流を行ってきた。同企画は引き続き継続する予定で、新たな試みにも意欲を示す。現状の課題として「まだまだ応援してくれる人が少ない」と指摘する。「もっと地域にホーリーホックの存在を認識してもらい、一人でも多くがスタジアムへ足を運ぶ環境を整えたい」と新たな挑戦に思いをはせた。