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日立・統合「松風中」 校名変更求め直接請求 住民団体、市に 「選考が不透明」 茨城

請求書を提出する鴨志田征央さん(中央)と三代喜良さん=日立市役所
請求書を提出する鴨志田征央さん(中央)と三代喜良さん=日立市役所


茨城県日立市の市立坂本中と久慈中を統合して今春開校する「松風中学校」を巡り、地元の住民グループ「松風中学校名の削除を求める会」は10日、小川春樹市長に対し、新校名を「松風」と定めた条例を改正し、「久慈」の存続を求める直接請求をした。

この日は同会の共同代表を務める鴨志田征央さん(57)と三代喜良さん(67)らが市役所を訪れ、請求に必要な有権者の50分の1(2877人)を上回る5403筆の署名簿を提出した。

代表の2人は「校名決定のお知らせが届くまで住民への情報提供はなく、選考過程が不透明なまま地域の意見が反映されずに決まってしまった。地域を愛する5403人の市民の思いは重く、ぜひ理解してほしい」と訴えた。

小川市長は30日までに市議会臨時会を招集し、自身の意見を付けて住民側から提出された条例改正案を提案する。10日は市長の代理で七井則之総務部長が請求書を受け取った。

松風中は、少子化に伴い坂本中と久慈中を統合し、現在の久慈中の校舎を使って4月に開校する。教職員や保護者、住民代表などでつくる統合準備委員会が生徒や地域住民から募集した案の中から「松風」と選定し、昨年3月の市議会で新校名を定めた条例案が可決された。

住民側は、多くの住民が久慈中と書いて応募したと主張。応募のあった校名案の集計が公表されていないことや、学校側が既存校名とは別の名称で応募するよう働きかけたとして「透明性、公正性に欠ける」などと訴えている。

同市での直接請求は1994年8月以来、約30年ぶりとなる。



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