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《食いこ》和田家(茨城・古河市)

庭園を背景に、人気の「メソ天丼セット」を持ち、笑顔をみせる6代目の大和田晶吾さんと妻の美智子さん=古河市
庭園を背景に、人気の「メソ天丼セット」を持ち、笑顔をみせる6代目の大和田晶吾さんと妻の美智子さん=古河市
野菜豊富な「メソ天丼セット」
野菜豊富な「メソ天丼セット」
歴史を感じさせる入り口
歴史を感じさせる入り口
【図表】
【図表】


■淡泊な味わいメソ天丼

JR古河駅から西へ徒歩10分、茨城県古河市中央町に明治から続く老舗の料亭「和田家」がある。名物はウナギを使ったメソ天丼だ。

メソとは小さいウナギのことを指す。5代目店主の大和田五郎さん(78)によれば、古河市周辺では以前、天然のウナギがたくさん取れた。同店ではいつの頃からか、メソを天ぷらにして出すようになった。この天ぷらは人気で、昼には全て売り切れてしまうこともあったという。そのうち、メソ天丼を出すようになった。

しかし、次第に近場の天然ウナギが取りにくくなり、メソの入手も難しくなってきた。そうした中、大和田さんは「メソ天丼はうちの名物料理なので、今後も残したい」との思いから試行錯誤を重ねた。約30年前から、かば焼きに使用する養殖ウナギの中から、天然のメソの淡泊な味わいに似た、できるだけ細いウナギを選んで代用して、味を守ってきた。

メソ天丼は、普通の太さのウナギが脂が乗っているのに比べ、細いウナギは天ぷらにしてもあっさりとしている。ご飯は白米ともち米をブレンドしたもので、昔から継ぎ足してきたたれとの相性がよい。中にはご飯をお代わりする女性もいるほどだ。

老舗の料亭であるため、初めての客には敷居が高いと感じるかもしれない。そこで大和田さんは気軽に料亭の味を知ってもらいたいと思い、敷地内に昼だけ営業するレストラン「茉鈴(まりん)」を約20年前にオープンした。メソ天丼に加え、うな重、海鮮丼、松花堂弁当などを食べることができる。

大和田さんは約50年、同店で腕を振るってきた。今は6代目となる息子の晶吾さん(45)らと店を切り盛りする。

大和田さんは「今までのお客さんを大事にするとともに、できるだけ要望に対応したい」と語る。さらに、古河市内にメソ天丼を知らない若い世代がいることを指摘し、「知名度が上がるような取り組みをしたい」と意欲を見せた。

■お出かけ情報
▽茨城県古河市中央町1の5の26
▽レストラン「茉鈴」の営業時間は午前11時半~午後2時、料亭は要予約
▽定休日は水曜、第2・4火曜
▽(電)0280(22)0128



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