鹿島沖転覆 大津漁協、自主捜索を継続 不明3人、情報なく 茨城
茨城県の鹿島港沖合でイワシ漁をしていた大津漁協(同県北茨城市)の漁船「第八大浜丸」が転覆し、2人が死亡、3人が行方不明となった事故を巡り、同漁協の幹部は11日、茨城海保の集中捜索が終了した後も漁業者と協力し、自主的な捜索を継続していく考えを示した。11日午後4時現在、行方不明者の発見には至っていない。
鹿島海上保安署は巡視船などを出動させた集中的な捜索を終了し、11日から通常パトロールに切り替え、事故現場付近の巡回、捜索を行った。付近を航行する船からの情報提供はなかった。
捜索作業中に不具合が生じた巡視船「いず」の遠隔操作型無人潜水機(ROV)について、修理や再使用のめどは立っていない。現場付近の海底で確認された沈没船とみられる影の特定についても、船の引き上げも含め未定という。
一方、民間船は荒天のため、捜索を中止した。同漁協の坂本善則専務理事によると、他の船団は順次漁を再開するとともに、夜間操業を終えた後、捜索に当たるという。坂本専務理事は「仲間を思う気持ちはありがたい。(行方不明者が)早く戻ってきてほしい」と捜索継続の考えを示しつつ、「二次被害は防ぎたい」と述べ、天候などを考慮した上で対応していく姿勢を示した。
今後の遺族や行方不明者の家族への対応については、「会社が中心」としながらも、「相談があれば、乗っていく。漁協として、できることは全面的に協力していく」と強調した。船を所有する会社が説明会や集会を開催する際には漁協の会議室などを提供する。
第八大浜丸と船団を組んでいた探索船と運搬船は12日午前8時ごろ、千葉県の銚子港を出港し、大津港に帰る予定。大浜丸が転覆した海域を捜索しながら帰港するという。