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三森さん音楽の都に舞う 茨城・水戸出身バレエダンサー ウィーン国立最高位へ

年末休暇で帰郷し、ゆかりのバレエ教室で練習する三森健太朗さん=2024年12月26日、水戸市内
年末休暇で帰郷し、ゆかりのバレエ教室で練習する三森健太朗さん=2024年12月26日、水戸市内


スウェーデン王立バレエ団でプリンシパルとして活躍する三森健太朗さん(27)=茨城県水戸市出身=が、世界屈指のダンサーがそろうウィーン国立バレエ団(オーストリア)の第1ソリスト(プリンシパルに相当)として、今年9月に移籍することを明らかにした。三森さんは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との共演に期待を膨らませ、「伝統と格式のあるバレエ団に迎えられて光栄。スウェーデンでの経験を生かし、音楽の都でも全力で踊りを披露したい」と、さらなる飛躍に意欲を示している。

三森さんは、5人きょうだいの4番目。姉や兄の背中を追うように、4歳から水戸市内の教室でクラシックバレエを習い始めた。中学1年だった2010年にプロのバレエダンサーを志し、国内のコンクールで好成績を収めた。14年には「海外で技と表現力を磨きたい」と単身ドイツへ。同国内のバレエ学校を経て、17年にスウェーデン王立バレエ団へ入団した。

その後、パリ・オペラ座(フランス)の大スターだった同団監督のニコラ・ル・リッシュ氏に才能を見いだされ、21年に準主役級の第1ソリストに抜てき。翌22年には日本人男性初のプリンシパルに昇格した。

ウィーン国立バレエ団への移籍は、同団次期芸術監督となる伝説の女優バレリーナ、アレッサンドラ・フェリ氏(61)(イタリア出身)との出会いが契機に。昨年3月、ともにロイヤル・バレエ団(英国)でレッスンを受けていた際に、互いのバレエ観について意見を交わした。キャリアアップを目指す三森さんは、「白鳥の湖」や「シンデレラ」など古典作品への熱い思いを打ち明けた。

レッスンで三森さんの跳躍や回転の技を間近にしていたフェリ氏は、ウィーン国立バレエ団で古典バレエに重点を置く自身の構想と、三森さんの目指すバレエが一致していることを確認。移籍話はトントン拍子で進んだ。

年末休暇を9年ぶりに実家で過ごした三森さん。両親、きょうだい全員と食卓を囲み歓談したという。幼いころから通った同市内のバレエ教室にも足を運び、恩師らに元気な姿を見せた。

ただ、ゆっくりしたのもつかの間、所属するスウェーデン王立バレエ団の新年公演のため、昨年12月30日に羽田を出発。今月17、18日の米国ニューヨークでのバレエ公演にも招待され、3月には香港でも踊る充実ぶりだ。

「ストックホルムでは数多くの舞台を経験し、成長を感じることができた」と述べ、周囲への感謝を示す三森さん。9月のウイーン国立への移籍を見据え、「忙しい年となるが、目の前のお客さんのために全力で踊りたい」と力強く抱負を語った。

★ウィーン国立バレエ団

オーストリアのウイーンを拠点とする世界トップレベルを誇るバレエ団。組織的な起源は19世紀にさかのぼる。以前はウィーン国立歌劇団バレエ団と名付けられていたが、2010年にウィーン・フォルクスオーパーバレエ団との合併に伴い名称を変更した。日本人の主な所属ダンサーでは、橋本清香さんと木本全優さんが第1ソリスト(最高位)を務めている。



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