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水道統合 茨城県内、1070億円削減 50年間 管理・組織 集約化

茨城県庁=水戸市笠原町
茨城県庁=水戸市笠原町


茨城県が進める水道事業の広域連携で、経営統合などによるソフト面の経費削減効果は50年間で約1070億円と県が試算していることが分かった。運転管理の集約化の効果が半分以上を占める。人口が減り、利用者の減少が止まらない中、安全で安心な水を安定供給し続けるために経営健全化が必要として、各市町村などが検討を進めている。

県によると、経営統合は2025年2月、合意した市町村などと基本協定を締結し、約3年以内の完了を目指す。2月以降の締結分も含め、25年度中には7割近くの市町村や水道企業団と合意を図る見通し。

効果の試算は、市町村が議会や住民に対して統合の利点を説明できるよう、24年10月に示した。合意の可能性がある市町村全てが経営統合した場合の50年間分を概算した。

最も効果が大きいのは「運転管理の集約化」で、約610億円に上る。基幹の浄水場から運転を遠隔監視するなど、自動化・無人化を推進することで、多くの市町村が専門業者に委託している運転管理の経費を大幅に縮小できるという。

次いで「組織の集約化」が約230億円。各市町村などに設置予定の水道事務所を県中央、鹿行などの圏域ごとに徐々にまとめることで、人件費の削減につなげる。さらに、給水申し込み窓口や検針などの業務委託を圏域ごとに行う「委託の集約化」が約170億円、人工知能(AI)の活用で効率良く電力を使う「電力削減」が約60億円と試算している。

統合後は県企業局が経営を担い、水道事業に関する資産や負債、資本を引き継ぐ。当面は各市町村から職員派遣を受ける。統合後も水道料金は当面の間、統一しない方針という。

広域連携を巡っては、23年10月に関係市町村などが参加する「広域連携検討・調整会議」を設置。日立、高萩、北茨城の県北3市は経営統合ではなく、備品などを共同発注する形での広域連携を検討している。

人口減少に伴い、水道料金収入は減少傾向にある。県によると、給水人口は50年間(21年度~70年度)で約58万人減る見通し。浄水場や管路などの老朽化した設備の更新や耐震化対策も課題となっている。

県企業局の担当者は「丁寧な議論を進め、経営統合などの広域連携に向け調整していきたい」と話す。



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