茨城県旅行支援 167万人利用 21~23年 「需要喚起に効果」
茨城県が2021~23年度に実施した茨城県への旅行代金を割り引く「いば旅あんしん割」「体験王国いばらき割」で、期間中の利用者が延べ167万6700人に上ることが16日、県のまとめで分かった。補助額は85億円で、国が茨城県に割り当てた予算の8割を使った。県は「コロナ禍で落ち込んだ観光需要の喚起に大きな効果があった」としている。
「いば旅」は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた県内観光を支援する目的で、21年6月19日からスタート。22年10月10日までは茨城県と近隣県の在住者が対象の「県民割」、同11日~23年6月30日は国内在住者対象の「全国旅行支援」として実施した。
「体験王国」は大型観光企画「茨城デスティネーションキャンペーン(DC)」の誘客促進の一環として、23年9~12月に実施した。
それぞれの期間、県が発行した土産品の購入や飲食に使える電子クーポンに、県内のホテル・民宿約370施設と、旅行・交通の約3250業者が参加。加盟店舗約2400店が使用した。
県観光戦略課によると、「いば旅」の期間中、宿泊旅行やバス旅行などの代金の割引を受けたのは約155万1500人。補助金の交付額は約80億円で、内訳は旅行費などの割引に対してが約50億円、電子クーポン利用に対してが約30億円だった。
「体験王国」の期間中は約12万5200人が宿泊などで割引を受け、約5億円の補助金が交付された。内訳は旅行代金の割引が約3億円、クーポン利用が約2億円だった。
それぞれの事業の補助金は国が全額を交付。都道府県ごとに予算額が異なり、茨城県には115億円が割り当てられた。県は実施期間の計約26カ月間で、観光客に補助した85億円と事務的経費9億円を加えた計94億円を使った。
県内観光入り込み客数は21年に3971万人と落ち込んだが、23年にはコロナ禍前で過去最高だった19年とほぼ同水準の6105万5千人まで回復。23年の観光消費額は3575億7500万円で、過去最高を更新した。
現状を踏まえ、同課の谷越敦子課長は「コロナ禍での需要を取り込み、観光事業者を支える効果があった」と評価。さらなる観光振興に向けて「コンテンツを他県と差別化し、国内外の観光客が茨城県に滞在する時間を伸ばすことで、年間の観光消費額4000億円達成を目指す」と話した。