新型LNGフェリー披露 大洗-苫小牧、CO2削減 茨城
茨城県大洗町港中央の大洗港と北海道苫小牧市の苫小牧港を結ぶ、カーフェリーの新造船「さんふらわあ かむい」が21日就航する。船首は空気抵抗の少ない流線型になり、燃料を従来船の重油から、環境負荷の少ない液化天然ガス(LNG)に切り替えた。二酸化炭素(CO2)の排出量は既存船より35%削減できるという。貨物デッキを拡大し、大型化するトラックを効率的に積み込める。同船を運航する商船三井さんふらわあ(東京)は主にトラック運転手の利用を見込む。
かむいは全長約200メートル。定員157人。トラック155台、乗用車50台を積める。全客室を個室化しプライバシーを確保した。
同社は大洗-苫小牧間を夕方便と深夜便のフェリーで結び、計4隻を運航。深夜便は大洗港を午前1時45分に出発し、約18時間かけて苫小牧に到着する。26年間運航する深夜便1隻の老朽化に伴い、かむいと入れ替える。同便のもう1隻も今春以降、新造船「ぴりか」と交代するという。
17日、大洗港でかむいの内覧会があり、関東や北海道の運送業者、地元自治体関係者ら約300人が集まった。牛奥博俊社長は「ドライバーの労働時間の規制が厳しくなる中、疲れを取れる海上のくつろぎの空間を提供し、快適かつ安全な輸送の確保に努めたい」と話した。