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木造住宅 耐震診断2.6倍 24年度 茨城県内、能登地震受け

県内木造住宅の耐震診断件数の推移
県内木造住宅の耐震診断件数の推移


茨城県や市町村の補助事業を活用した木造住宅への耐震診断件数が、2024年度は前年から2.6倍の250件超と大幅に増えていることが19日までに県のまとめで分かった。昨年元日の能登半島地震で建物倒壊が目立ったことなどを背景に申請が急増した。県は耐震診断士の養成や啓発強化などを通し、さらなる耐震化を目指す。

耐震診断の補助事業は1981年以前の旧耐震基準で建築された木造住宅を対象に、国、県、市町村が費用を一部負担する。県によると、2024年度は県内41市町村が実施し、診断件数は4~12月で255件に上り、23年度の96件を大きく上回った。

補助を活用すれば、費用の自己負担は最も多い自治体でも5千円ほどで、土浦市や古河市など16市町村では無料化している。補助事業は新潟県中越地震の翌年に当たる05年度から始まり、東日本大震災後の11年度は500件を超えるなど急増。近年は100件前後で推移していた。

昨年元日に発生した能登半島地震で多くの木造住宅が全壊、半壊被害に見舞われたことが申請増の主な要因とされる。発生以降、県内の各市町村には問い合わせが増え、既に多くの市町村で本年度の受け付けを終了している。県は補正予算で耐震診断の支援拡充に向けた経費を計上するなどしていた。

21年度の県推計によると、県内の住宅は約115万7千棟で、耐震化率は91.5%。旧耐震基準で建築された住宅23万1千棟のうち、十分な耐震性能が確認されたり、既に耐震改修されているのは計13万3千棟で、残る約10万棟が耐震性が未確認の状況にある。

建築物耐震化に向けた指針「県耐震改修促進計画」は、30年度までに耐震性が不十分な住宅の解消を目指す方針を掲げている。県は本年度、これまで年1回だった耐震診断士の養成講座を3回に拡充。市町村と連携し、納税通知など個別配布の郵便物に耐震化を促すチラシを同封するなど啓発の強化も進める。

能登半島地震では、建物倒壊などによる直接死が228人に上った。同課の担当者は「住宅の安全性を確認しておくことは重要。診断は耐震化に向けた備えの入り口で、補助を活用すれば費用負担も少ない。積極的に活用してほしい」と呼びかけている。



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