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大豆ようかん 商品化 鹿嶋の老舗和菓子屋 市返礼品に採用 地元で栽培、特製あん開発 茨城

「千年羊羹」を商品化した丸三老舗7代目店主の笹沼和彦さん=鹿嶋市宮下
「千年羊羹」を商品化した丸三老舗7代目店主の笹沼和彦さん=鹿嶋市宮下
鹿島在来の大豆を使った「千年羊羹」(丸三老舗提供)
鹿島在来の大豆を使った「千年羊羹」(丸三老舗提供)


茨城県鹿嶋市内にある創業200年以上の和菓子屋「丸三老舗」が、市内の自然栽培農園「鹿嶋パラダイス」の大豆を使った大豆ようかん「千年羊羹(ようかん)」を商品化した。国内産小豆の生産量が減っていたことから、安定的な供給が見込める大豆からあんを作ることを発想した。市のふるさと納税返礼品に昨年12月から採用されており、店頭でも2月ごろから販売する予定だ。

丸三老舗の7代目店主、笹沼和彦さん(48)は和菓子の原料となる小豆の不作で思い悩んだ末、先祖代々受け継いできた豆の種類に限らず自家製あんを作ることができるノウハウを生かすことを決意。季節や湿度によって水分量を変えるなどの工夫をした上で、「地元で作っている大豆であんこを作ろう」と、約1年間でようかんを作り上げた。

小豆との違いは見た目が薄黄色で、タンパク質や脂質が多いため「こく」がある点だという。一方で、小豆に比べて豆の食感が残りやすく「硬くなりすぎる」ため、粒あんは断念し、こしあんに絞った。「甘い物なので塩っ気があった方が、相性が良い」と、隠し味にしょうゆも加え、「シンプルにお菓子としてもおいしく出来上がった」と話す。

原料を提供する鹿嶋パラダイスの唐沢秀代表(48)は「大豆のポテンシャルを感じさせる商品」と太鼓判を押す。ようかんに使われている大豆「鹿島在来」は糖質が高くて甘みがあり、うまみや香りも良いことが特徴だという。農薬や肥料を使っておらず、素材本来の味が楽しめる。和菓子に使用するのは初めてだが、「おいしい大豆を甘くしたのだから、絶対においしくなるはず」と胸を張る。

商品名とパッケージデザインは、同市が運営するオンラインのファンコミュニティ「KASHIMA Colorful Base」の登録者から意見を募り、人気投票の上で「千年羊羹」に決めた。

市への寄付6000円で3本セットが提供される。丸三老舗の鹿島神宮駅前店(同市宮下)や同店ECサイトでも2月ごろから、3本セット1620円(税込み)で販売する予定だ。



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