トランプ大統領就任 茨城県内企業、先行き不安視 価格競争力低下、赤字も
輸入品に関税をかける方針を掲げるトランプ氏の米大統領就任を受け、米国との取引に関係する茨城県内企業からは21日、先行きを不安視する声が聞かれた。関税の引き上げは事業の死活問題になりかねないため、「どう準備するか」と警戒感も見られる。
建設用機械製造の諸岡(龍ケ崎市)は米国での事業拡大を図っている。同社は「輸出製品に関税がかかれば、当社の価格競争力が落ちることは避けられない」とコメント。トランプ氏がカナダとメキシコに対し25%の関税をかける可能性について触れ、「日本も含め対象国が広がることが心配。米国拠点のさらなる活用など、最適な製品供給体制を整えていきたい」と先を見据えた。
老舗酒蔵の木内酒造(那珂市)は、現地代理店を通じて地ビールなどを米国に輸出している。大統領令には即時の関税引き上げは盛り込まれなかったが、同社の木内敏之社長は「引き上がれば商品の価格が高くなり、消費者へ負担がかかる。高額でも売れる商品を考えなければ」と話した。
ばね製品を手がける幸手スプリング(古河市)は、米国関連の出荷額が年5千万~6千万円に上る。同社の菅井里輝社長は「楽観視できない。利益の確保が難しくなり、赤字になるかもしれない」と懸念した。