自動バス、路線走行 つくば駅から筑波大 茨城
茨城県つくば市や筑波大、KDDIなど10者が連携した自動運転バスの実証走行が23日、関係者に公開された。つくばエクスプレス(TX)つくば駅と筑波大構内を結ぶ既存のバスルートを運転手が手を離した状態で走行した。実証走行は昨年1月にも行われ、今回は乗車定員を増やした中型バスを使用し、速度を上げた。
実証走行の日程は9~24日。運行を担うKDDIによると、今回は16人乗り電気自動車(EV)を使用し、最高速度は35キロ。ルートは実際の路線バスが走るつくば駅と同大構内を結ぶ約10キロに設定した。
技術レベルは「レベル2」と呼ばれる水準で、障害物を検知するセンサーやカメラを車両の周りに搭載。運転席に運転手は座るが、ハンドルやアクセル、ブレーキ操作は自動制御され、あらかじめ登録されたルートを自動運転した。
6カ所ある停留所での発着も全て自動。大型バスと擦れ違った時などだけ一時的に手動運転に切り替わり、走る様子は大学の一室に設置したモニターで担当者が遠隔監視した。
実証実験はつくば市の「スーパーサイエンスシティ構想」の一環で、内閣府の委託調査事業として実施された。試乗した同大の永田恭介学長は「昨年より進歩し、ブレーキやアクセルのタイミングが人間らしくなった」と評価。各地で問題となっている運転手不足の解消につながると期待を寄せた。
つくば市は2027年度から、バスの運転手がいない「レベル4」での定常運行を目指す。市の中山秀之科学技術戦略課長は「実装に近づいた。可能であればバスを購入し、関係者と長期の実証を続けたい」と展望を語った。