仮想空間に理想の街 潮来高生、市に提言 現実の課題発見も 茨城
茨城県立潮来高の地域ビジネス科の3年生26人が学習の成果を披露する「課題研究発表会」が22日、同県潮来市須賀の同校で開かれた。同校は本年度、県教委の「デジタル・シティズンシップ教育推進事業」モデル校に指定されている。同市の貴重な資源を有効活用して地域の活性化につなげるため、仮想空間で想像したアイデアを基に発表し、市に提言した。
仮想空間でブロックを組み合わせて建物や町をつくるツール「教育版マインクラフト」を使って、各グループごとに発表した。
都内にある地上3階の高速バスターミナル「バスタ新宿」を参考に、理想のバスターミナル「バスタ潮来」をブロックで作り上げたチームは「現状ではバスタ潮来を整備することは難しいが、仮想空間内で可視化することで、現在の潮来バスターミナル付近にあれば便利なものが見えてきた。宿泊施設やコンビニなどが近くにあれば長期滞在につながると感じた」と発表した。
別のチームは、仮想空間の中で、理想の潮来駅周辺整備と観光スポット「水郷潮来あやめ園」を表現。発表者の一人、久保木悠斗さんは「今の潮来市を再現していく過程で、駅や商店街に街灯が少ないことが分かった。ゲームの中の話だが(街灯や飲食店などがある)住みやすそうな街ができた。まずは潮来駅前に街灯を増やしてほしい」と述べた。
授業の最後には、生徒を代表し、松本かいりさんが「潮来のまちづくりに関する提言書」を原浩道市長に手渡した。原市長は「それぞれのチームが課題をよく研究して、どのようなまちづくりをしていけばいいか的確に捉え、発表していた。若者の発想を市の政策に反映できるように検討していきたい」と感心した様子だった。