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貸金庫の管理厳格化 茨城県内金融機関 予備鍵、本部で一括保管

貸金庫の箱について説明する金融機関関係者=水戸市南町
貸金庫の箱について説明する金融機関関係者=水戸市南町


茨城県内の金融機関で、貸金庫の管理を見直す動きが出始めた。貸金庫から顧客の資産を盗んだ疑いで三菱UFJ銀行の元行員が逮捕された事件を受け、新たな管理方法の導入、強化を検討している。県内の主要金融機関は貸金庫の運用を継続する方針で、貸金庫の予備鍵を一括管理するほか、管理者の権限を変えるなど、防犯対策強化を進める。顧客の揺るぎない「安心感」を守れるか、金融機関の模索は続く。

逮捕された元行員は、支店の営業課長で貸金庫の管理責任者だったため、予備鍵を使うことができた。対策として予備鍵の管理方法が大きなポイントとなる。

■支店に置かず

常陽銀行(水戸市)は、今回の事件を受け行内規定を変更。予備鍵を支店に置かず、全て本部で管理する体制に変更する。同行は有人店舗130店のうち119店に貸金庫を設置しており、今月末から周知する予定。事件前、予備鍵は支店長らが管理していた。

同じく結城信用金庫(結城市)も支店で管理していた副鍵(予備鍵)を本部にまとめ、一括して管理する体制に変更する予定。24店のうち6店に貸金庫があり、契約する約360件のうち月平均で約5割の利用があるという。

■複数人で作業

常陽銀はさらに、貸金庫室のドアを開ける権限も変更する。一般的な貸金庫室は、室内に入るドアがあり、カードや鍵を使う。同行でドアを開ける権限は、これまで支店長などにあり、さらに同じ人が予備鍵も使うことができた。

昨年12月12日からは、支店長などが単独で貸金庫のある部屋のドアを開ける権限をなくした。1人だけでドアを開けて予備鍵も使うということはなくなり、作業には最低2人が必要な体制に変更した。

結城信金も貸金庫室への入退室のチェックを厳格化するほか、担当を1人に任せきりにしない体制にする予定という。

その他の県内の金融機関も三菱UFJ銀の事件発覚後、貸金庫を点検し、管理体制の強化などを検討している。

常陽銀の担当者は「予備鍵を本部に集めるだけで、かなりのけん制になる。本部でも厳重に保管するので、顧客に対して『安心』を打ち出せる」と強調した。



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