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鹿島FC、廃食油を利活用 スタジアム売店協力 全試合回収、航空燃料に 茨城

鹿島アントラーズFCのアカデミーハウスから廃食用油を回収するレボインターナショナル社員=鹿嶋市平井東
鹿島アントラーズFCのアカデミーハウスから廃食用油を回収するレボインターナショナル社員=鹿嶋市平井東


サッカー・J1鹿島アントラーズFC(小泉文明社長)は今季から、茨城県立カシマサッカースタジアムの売店などから出る廃食用油を再生可能な航空燃料(SAF)として利活用する。SAFは従来の航空燃料よりも温室効果ガスの排出量を約8割削減できるといい、「持続可能な社会のモデルケースを目指す」としている。

鹿島FCは2024年12月、社会貢献活動の一環として「Fry to Flyプロジェクト」に参画した。「廃食用油を燃料にして航空機が飛ぶ世界」の実現に向け、約200の企業・自治体が取り組み、同クラブによると、プロスポーツクラブとしては初の試みという。

合わせてSAF製造の日揮ホールディングス(神奈川県横浜市)、廃油再生のレボインターナショナル(京都府京都市)などと、廃食用油の供給に関する基本合意書を締結。合意書に基づき、同クラブは売店などから出る廃油を回収する。

同クラブが回収した油をレボインターナショナルが集め、日揮ホールディングスが堺市に昨年12月に完成した国内初の国産SAF製造設備に運ぶ。同施設では廃食用油のみを原料に、年間約3万キロリットルの供給を目指している。

昨夏から、選手寮とカフェテリアで実証的に取り組みを開始した。昨年12月8日の町田戦で初めてスタジアムで実施。売店に協力を呼びかけ、約20の店舗から回収した。各店主らから「捨てるのにコストがかかるので助かり、環境負荷の軽減にも貢献できる」などと好評だったという。

今季からは、スタジアムで開催する全ての主催試合で回収する方針で、年間約2300リットルを見込む。関連施設も合わせると約3400リットルになる予定だ。

同クラブは今後、安定的にSAFの供給ができるよう、回収量を増やしたい考え。将来的にはホームタウン近隣の空港を発着する航空機への給油に加え、選手の国内外遠征時に使用する航空機へのSAF供給につなげていく計画だ。

クラブの担当者は「地域全体で回収の輪を広げていきたい」と目標を語った。

★SAF

化石燃料以外を原料とする持続可能な航空燃料。従来の航空燃料に比べて、温室効果ガスの排出量を約80%削減する。航空機は自動車とは違い、電気や水素などの燃料で代替しにくいため、SAFの利用が求められている。日本政府は2030年に国内航空会社の燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標を掲げている。



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