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《2025鹿島宮崎キャンプ》鬼木鹿島「一体感」 全日程終了 連係の課題確認

J1岡山との練習試合で競り合う鈴木(右)=ひなた陸上競技場
J1岡山との練習試合で競り合う鈴木(右)=ひなた陸上競技場
J1岡山との練習試合の戦況を厳しい表情で見つめる鬼木監督=ひなた陸上競技場
J1岡山との練習試合の戦況を厳しい表情で見つめる鬼木監督=ひなた陸上競技場
J1岡山との練習試合で味方に指示を送る津久井=ひなた陸上競技場
J1岡山との練習試合で味方に指示を送る津久井=ひなた陸上競技場


■J1岡山と練習試合 鈴木「もっとレベルアップ図る」

J1鹿島は25日、ひなた陸上競技場でJ1岡山と練習試合(45分×4本)を行い、宮崎キャンプを打ち上げた。1本目0-3、2本目1-1、3本目0-0、4本目2-0の計3-4で敗れた。ミスからの失点など不安要素が多い内容となり、鬼木監督が目指すスタイルを浸透させる上での課題が浮き彫りとなった。

1本目は現状のほぼフルメンバーと言える布陣で臨んだが、良いところがほとんどなかった。岡山の前線からのプレスに対してパスが一向につながらず、前進するにも一苦労。逆に自陣でボールを引っかけられ、数々のピンチを招いた。

特に3失点目は、自ゴール前で知念からGK山田へのバックパスを相手に奪われて献上。知念が「完全に自分たちの技術不足。ボールの回し方をもう少し考えないといけない」と反省したように、自陣の低い位置から組み立てるビルドアップには焦りが見られ、選手間で苦しい状況を打破するための解決策を見いだすこともできなかった。

距離感を修正した2本目以降も、良い崩しからの好機を多くはつくれなかった。鬼木監督は「まだまだ力不足だし、真摯(しんし)に受け止めなくてはいけない」とした上で、「我慢強く問題を解決しながら、一体感を持ってやっていきたい」と強調した。

チームは2日間のオフを挟み、28日から練習を再開する。鈴木は「自分たちの技術を高めないと戦えない。もっとレベルアップを図る」と見据えた。

■総評 攻撃的スタイル浸透へ

鬼木イズムを注入する11日間だった。ボールを「止める・蹴る」といった基礎的な技術の向上を図りつつ、鋭くパスを展開しながら相手を圧倒する攻撃的スタイルの浸透に注力。強度の高い練習を重ね、非常に密度の濃いキャンプとなった。

丁寧なパスつなぎや後方からのビルドアップを重視するとともに、鬼木監督が日々求めていたのは「臨機応変さ」。一気に背後を取るにしても、中央にパスを入れてからサイドに展開するにしても、ただ型にはまったプレーをするのではなく、相手の動きをしっかり考慮しながらゴールに向かうことを選手たちに求め続けた。

その大前提として必要なのが、「止める・蹴る」の技術だ。的確な判断から生まれるコンビネーションはパスやトラップの多少のずれによって崩れてしまい、連動性を欠く。実際にキャンプ中の練習試合でも、パスのずれからピンチを招く場面が多々あった。まだまだ時間はかかるだろうが、基礎技術の向上については辛抱強く取り組んでいくしかない。

チームが目指す完成形には程遠い。だが、「選手たちはタイトルのために何が必要かを考えながら取り組んでくれている」と指揮官。今は失敗を重ねながら、鬼木サッカーの具現化を進める段階だ。開幕までは約3週間の余地がある。まずは万全の状態でリーグ初戦を迎えるべく、着実に下準備を重ねていきたい。

■津久井「少しずつ自信」

○…センターバックの津久井が攻守に存在感を示した。安定感のある守備だけでなく、攻めては鋭いパスを前線に供給して好機を演出するなど、成長ぶりを見せつけた。

キャンプでは全体練習終了後、必ず田中誠コーチと共に居残り練習に励んできた。特に強化したのはヘディングの強さ。「成果が出た」と言うように、この日は空中戦で競り負けることなく、ロングボールを次々とはね返した。

ボールを保持した際は、「声を出して周りを動かすことを意識した」。手ぶりを加えながら味方を動かし、後方からの攻めの組み立てに一役買った。前線へのパスも正確だった。

試合後、「自信は少しずつ付いてきている」と笑みを見せ、今季は「チームを助けられる存在になる」とさらなる成長を誓った。




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