筑波山、ジオパーク再認定 見所の改善を評価

地質遺産の保全や活用に取り組む「ジオパーク」に認定されている「筑波山地域ジオパーク」について、認定組織の日本ジオパーク委員会(JGC)は27日、現地調査などの審査結果を踏まえ再認定することを決めた。課題だったジオサイト(地質的な見所)の見直しに取り組んだことや、拠点施設「つくばジオミュージアム」(茨城県つくば市北条)の整備といった点などが評価された。
JGCは4年に1度、再認定審査を実施しており、筑波山地域ジオパークは昨年11月に現地調査を受けていた。
同日午後4時15分ごろ、つくば市役所にJGCから電話が入り、筑波山地域ジオパーク推進協議会長の五十嵐立青市長に再認定が伝えられた。五十嵐市長が笑顔を見せると、集まった関係者から拍手が起こり、岩石を模したくす玉を割って喜びを分かち合った。
五十嵐市長は「関わっていただいた皆さんの努力のおかげ。今後も課題の一つ一つを改善しながらより良いジオパークを作っていきたい」と話した。
同ジオパークは霞ケ浦を含む筑波山周辺のつくば、石岡、笠間、桜川、土浦、かすみがうらの6市にまたがる。2016年9月にジオパークに認定され、再認定は今回で2度目。
事務局によると、JGCは同ジオパークに対し前回の再認定時に指摘した課題について、改善の進捗(しんちょく)などを審査した。
推進協は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)世界ジオパークの審査基準に基づいたジオサイトの見直しに取り組み、地質サイト、自然遺産、有形文化遺産、無形文化遺産とジャンルごとに分け、保全対象を明確にするなど改善を図った。
つくば市は23年11月、旧中学校校舎を改修したジオ啓発施設「つくばジオミュージアム」を開設。JGCはこうした拠点整備を高く評価。地元産花こう岩が国際機関からヘリテージストーン(天然石材遺産)として認定されたことや、関連6市の連携強化も再認定を後押しした。
JGCは27日発表したコメントの中で、同ジオパークに対し、多様な教育とツーリズム、新しいサイトの案内板・解説板整備などについて、今後の一層の取り組み推進を期待した。