学びと交流 新拠点 桜川「さくらす」開業へ 図書館+公民館+市役所支所の機能集約 茨城
茨城県桜川市初の公立図書館に公民館、市役所支所の機能を備えた生涯学習センター「さくらす」が同市東桜川に完成し、2月2日にオープンする。図書館には、壁一面に図書を配置する「メディアマウンテン」をはじめ、テーマに沿った本を紹介する最新のシステムを導入。施設が一体的に利用できるよう図書のレイアウトも工夫を凝らし、新たな学びと交流の場を目指している。
さくらすは岩瀬中央公民館跡地に建設され、鉄筋コンクリート造り3階建てで、延べ床面積は3634平方メートル。総事業費は約24億8000万円。全国各地の図書館で運営を担う図書館流通センター(東京都文京区)と、ビルの清掃を行うアビック(同県水戸市)の共同体が指定管理者となっている。
桜川市は1月15日、報道機関に施設を公開した。図書館スペースで最も目を引くのは、壁面いっぱいに書棚が造られたメディアマウンテン。2、3階にあり、「自分を輝かせる文化」「わたしたちのまち」など11のテーマに沿って図書が配置されている。
テーマや関連性などの情報をタッチパネル上に表し、お薦めの本を紹介する「みどころキューブ」も導入した。館内3カ所に置かれ、それぞれ異なるテーマが設定されている。
図書館の蔵書数は開架、閉架合わせて約7万冊。最大約10万冊を所蔵できる。今後は利用者の要望を踏まえながら拡充するという。
フロア別では、1階は市役所支所のほか、ホール、キッチンやプロジェクターなどを備えた有料の貸しスペース「クリエイティブハブ」がある。2階は書架が中心。子ども向けの図書コーナー、予約制の個人ブースなどもある。3階にはダンスや楽器演奏などができるスタジオ、中高生向けの資料を中心にした「ミライ文庫」、受験生などが静かな環境で利用できる「サイレントルーム」がある。
施設内は一部を除いて飲食自由。各スタジオの前にダンスや料理などの関連本が並んでいたり、屋外には近隣の風景を眺めながら読書や自習ができるテラスがあったりと、多様な使い方を想定した造りになっている。
「さくらす」館長の小沢司郎さんは「いつ来ても面白い事をやっている、楽しい施設にしたい」と意気込んだ。
図書館、公民館は原則として月曜休館。支所の運用開始日は現時点では未定。
2月2日に開館イベントを開き、3日の休館日を経て4日から本格的に利用開始する。1月30、31日には図書館のみプレオープンし、本の閲覧や貸し出しなどを試験的に運用する。