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境界山岳救助へ連携 3消防、初の合同訓練 常陸太田・常陸大宮・大子 茨城

要救助者の救助に当たる3消防本部と県防災航空隊=常陸太田市天下野町
要救助者の救助に当たる3消防本部と県防災航空隊=常陸太田市天下野町
県防災航空隊が要救助者を搬送した=常陸太田市天下野町
県防災航空隊が要救助者を搬送した=常陸太田市天下野町


茨城県常陸太田市、常陸大宮市、大子町の3消防本部は27日、常陸太田市天下野(けがの)町の山林で山岳救助訓練を実施した。3消防本部の合同訓練は初めてで、県防災航空隊も加わり、総勢56人が参加した。訓練を通して、消防本部ごとに使っている資機材の違いを改めて確認。3市町の境界付近での事故に対し、迅速な救助を行うために連携強化を図った。

訓練は登山道を踏み外して滑落した登山者から携帯電話で119番通報があったとの想定で繰り広げられた。傷病者の位置が市境界付近と見込まれることから、常陸太田市消防本部が2市町の消防本部に協力を要請した。

3消防本部の指揮隊や救助隊が各方面から入山し、合同指揮本部を設置。無線を同じ周波数に合わせて活動し、指揮本部や活動隊所有の携帯電話番号も共有。位置情報を相互に認識できる携帯電話アプリも活用した。

現地までは縦1列になって進む険しい山道。救助作業の現場は標高約400メートルで、崖下15メートルからの厳しい活動となった。現場では2人滑落を確認、救助活動を開始した。

各隊員の装備や資機材の情報を共有し、3本部で役割を分担。太い樹木にロープを巻き付け、ストレッチャーを使って2人を崖下から引き上げ、県防災航空隊が防災ヘリで搬送した。

常陸太田市消防本部北消防署の角田祐司署長は「いろいろな課題が見えるよい訓練になった。課題を修正しながら実際の現場につなげていきたい。今後も合同訓練を継続するほかに、座学的な知識の吸収や情報共有なども行っていきたい」と話した。

県北6市町を巡る「常陸国ロングトレイル」が整備中で、登山客の増加が見込まれることから、山岳事故発生に対する3消防本部の緊張感は高まっている。



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