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過積載摘発 茨城県警が強化 5年連続増、最多 貨物車事故、10年で半減

県警のヘリコプターから撮影した、過積載の取り締まり=県警提供
県警のヘリコプターから撮影した、過積載の取り締まり=県警提供


茨城県警は砕石や残土などを規定以上積んで運ぶ過積載の摘発を強化している。摘発件数は5年連続で増加し、2024年は過去最多となった。過積載はブレーキが利きにくくなって交通事故につながる危険性が高いほか、不法投棄の温床にもなっており、県警は合同機関と連携して取り締まりの強化を続ける。

県警は交通指導課と交通機動隊を中心に過積載の摘発を進めている。同課によると、摘発件数は15~19年が29~56件で推移していたが、20年から急増。22、23年は300件台となり、24年は前年比81件増の406件に増加。一方で、貨物車による人身事故は10年前の755件から359件に半減していて、県警は取り締まり強化が効果をもたらしたとしている。

■道路にへこみ

過積載は、道路の右左折時に積んでいる木くずや砂などを落とす可能性があるほか、重さでブレーキの制動距離が伸びるため事故の危険性が高まる。さらに、過積載によって道路がへこみ、水たまりができたり二輪車の事故が起きやすくなったりするなど二次被害につながる恐れがある。住民から県警に「幹線道路に過積載が走っている」「積み荷が落ちそうで怖い思いをした」などの連絡が入るという。

道路の損壊や二次被害抑止のため、県警と東日本高速道路(ネクスコ東日本)と合同して、他県から高速道路を利用して流入する過積載の車両の取り締まりを強化。24年は前年比14回増の18回実施した。

県警と県は22日、同県神栖市内で過積載の取り締まりを実施。ヘリコプター1台、白バイ8台、覆面パトカーなど8台が出動し、違反が疑われる車両の発見、重量の測定を行った。違反車両は、タイヤをつぶしながら走行し、停車時は車体を大きく上下に揺らしていた。同日、過積載で摘発されたのは8件で、砂利や砕石などを車両で運んでいたという。最も超過していた車両の積載量は、規定の2倍以上だった。

■「人手不足で」

県警は、過積載が不法投棄の温床になっている可能性を指摘する。違反車両の運転者から搬送元や搬送先を聞いたり、伝票を調べたりするなどして不法投棄や残土の不適正処理を未然に防いでいる。

赤切符を交付された女性運転手は「会社によっては運ぶ量で給料が決まる。給料が上がらず生活が成り立たないので仕方がなく運んでいる」と語った。産業廃棄物を運んでいた、土木業を営む男性は「人手不足で本職ではないダンプを運転しなければならなかった。小さい企業なので測量機が高くて買えず自分で適当に積んだ」と話した。

交通指導課の方波見景子理事官は「過積載は通常の交通事故より危険性が高い。絶対にやらないで」と呼びかけている。



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