次の記事:学生「驚き」「楽しみ」 安全確保策に関心も 悠仁さま 筑波大合格 茨城 

水素製造施設 建設申請へ 大洗・原子力機構 次世代炉を利用 茨城

【AD】


日本原子力研究開発機構(原子力機構)は30日、茨城県大洗町の高温工学試験研究炉(HTTR)の熱を利用する水素製造施設の建設に向け、2月にも原子力規制委員会に設置変更許可を申請する方針と明らかにした。2025年度に規制委の許可を受け、県と同町の事前了解を得た上での着工するのが目標。28年度に運転を始め、原子力の熱を利用した世界初の水素製造を目指す。

HTTRは安全性の高い次世代原子炉として期待される高温ガス炉。炉心の冷却に水を使う一般的な原発(軽水炉)と異なり、ヘリウムガスを使う。

最高950度の熱を取り出して利用することで、脱炭素エネルギーの水素を製造する。発電や海水の淡水化など、幅広い活用もできる。

原子力機構によると、規制委が審査する計画には施設の概要や安全対策などを盛り込んだ。25年度中に設置許可を受け、原子力安全協定に基づく県と大洗町の事前了解を得るのが目標。その後、水素製造施設の着工に乗り出す。

施設にはHTTRから高温のヘリウムを循環させる管を接続。熱を利用した化学反応によって、水素に製造する。

原子力機構は昨年3月、約2年2カ月ぶりにHTTRの運転を再開。運転中に冷却機能が喪失した状態を再現した上で、自然冷却によって原子炉を停止させる試験を成功させ、安全性を実証した。その後、水素製造に向けた準備を本格化させていた。

高温ガス炉による水素製造は温室効果ガスの排出ゼロが期待できるとして、各国が開発競争にしのぎを削る。原子力機構は英国やポーランドなどと協力関係を強化。開発や技術情報を提供することで、将来的には日本国内での実証炉開発に結び付けたい考えだ。

昨年4月には英国立原子力研究所(NNL)と次世代型原発「高温ガス炉」の燃料開発プログラムに関する契約を結んだ。

原子力機構は「2030年までに水素製造に成功し、世界トップの技術に育てたい」としている。



最近の記事

茨城の求人情報

全国・世界のニュース