サッカーJ2水戸 新スタジアム見直し 建設構想 既存施設も視野 茨城
サッカー・J2水戸ホーリーホックの小島耕社長は30日、茨城県水戸市内のホテルで報道陣に対し、2019年に発表した新たなスタジアム建設構想の進捗(しんちょく)状況について、28年度予定だった竣工(しゅんこう)時期を「いったん見直し、延期する」と説明した。また、建設候補地を従来の水戸市から同市を含むホームタウン全15市町村に拡大し、新設でなく既存施設を改修して活用することも視野に入れる方針も示した。
小島社長は「計画が進んでいないことは私の責任を強く感じるし、力不足を感じる」と述べた上で、「完成を急ぐより機運の醸成も大事。建設費や運営費を公的資金に全て頼ることを意味しているわけではなく、地域行政課題とスタジアム建設がどのように相互補完できるかをしっかり検討したい」と語った。
建設候補地については、これまで水戸市と協議を続けてきた。候補地拡大について、小島社長は「土地や建設費用は水戸市に限らず、広く探す必要がある」と説明した。
新スタジアムの収容人数はJ1基準の1万5000人を維持する考えで、既存施設の改修では、本拠地のケーズデンキスタジアム水戸=水戸市=や水戸信用金庫スタジアム(笠松運動公園公園陸上競技場)=同県那珂市=も候補に入るとみられる。小島社長は「クラブの施設ではないので具体性はないが、ホームタウンにはたくさんの競技場がある。可能性を探りたい」と述べた。
建設地の予定面積は10万平方メートルで、建設費は150億~200億円を見込んでいる。昨年4月には「民設」から自治体の協力を仰ぐ「公設」への方針転換を発表した。
同構想は19年に沼田邦郎前社長が発表した。当初は24年度内の完成予定だったが、新型コロナウイルスの影響でクラブの経営危機に直面し、構想は停滞。21年夏に計画を再開し、28年度内の完成を目指してきた。