秘伝の「金銀福豆」 節分祭に向け準備 笠間稲荷神社 茨城
茨城県笠間市笠間の笠間稲荷神社(塙東男宮司)で2日の節分祭に向け、宮司家に代々伝わる秘法があるという「金銀福豆」を作る準備が進められている。
同神社の節分祭は、邪気を払う追儺(ついな)式と撒豆(さんとう)行事(豆まき)の2本立てで、毎年午後3時と7時に行われる。豆まきでは、年男、年女、ゲストの芸能人などが1升ますを手に特設台に上がり、参拝者に「福は内」と声を発し福豆をまく。
神社によると、1升ますを今年は100個用意する。ますには普通の福豆のほか、金箔(ぱく)と銀箔でくるんだ金色、銀色の福豆を加えるのが同神社の伝統だ。福豆作りの最後の工程は必ず、宮司か権宮司が務めることになっている。
本番を控えた1月29日、社務所内の和室で、塙敬比古権宮司が最後の作業に当たった。女性神職と巫女(みこ)の介添えを受けながら、手元の皿に入った銀の豆、金の豆をスプーンでゆっくりとすくい、1升ますを仕上げる動作を繰り返した。
この日、権宮司にますを渡す役割を務めた神職1年目の猪狩綾花さん(22)は「笠間稲荷神社で節分祭を経験するのは初めてなので、緊張しています」と話した。