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ひたちBRT レベル4出発 6.1キロ、自動運転 関係者ら式典 3日から営業運行 茨城・日立

自動運転バスの出発式でテープカットする式典出席者=日立市みなと町
自動運転バスの出発式でテープカットする式典出席者=日立市みなと町
専用道を自動運転で走行するひたちBRT=日立市内
専用道を自動運転で走行するひたちBRT=日立市内


茨城県日立市のバス高速輸送システム「ひたちBRT」で、特定条件下で運転の全てをシステムが担う自動運転「レベル4」による営業運行が3日から始まるのを前に、同市みなと町の道の駅日立おさかなセンターで2日、関係者が出席して出発式が開かれた。中型バスでのレベル4自動運転の営業運行は国内初。走行区間の6.1キロも国内最長となる。

ひたちBRTは旧日立電鉄線跡地を活用した専用道などを走るバス路線。自動運転バスの車両は、経済産業省と国土交通省の連携プロジェクトの一環で技術開発と検証が進められ、2018年度から実証実験が行われてきた。運行は茨城交通(同県水戸市)が担う。

今回営業運行するのは中型バスを改造した車両1台で、運行時は乗務員が乗車する。定員28人と輸送力が高いのが特徴で、前後左右に設置したセンサーやカメラで歩行者や車両、信号などを認識しながら安全に配慮して走る。

運行区間はBRT全線8.7キロのうち、専用道区間の「南部図書館」-「河原子」停留所間の6.1キロ。平日の昼、現行の路線バスの合間に1日計8便(4往復)運行する。区間内には一般道との交差部が11カ所、歩行者などの横断部が15カ所ある。

走行速度は国内最高となる40キロ以下に設定。車道と歩道との仕切りがガードレールや縁石の区間では、安全のため、車道の端から2メートル以内に人がいる場合は減速するよう設計されている。所要時間は通常のダイヤに比べて10分ほど延びるという。

自動運転は5段階のレベルがあり、特定の条件下で運転手が不要となるレベル4は完全自動運転の一歩手前。今回は大雨や積雪、濃霧時などは自動運転を行わない。今後は、25年度中に乗務員が乗車しない遠隔監視型のレベル4運行を目指し、26年度以降は車両を複数台運用することを目標にする。

同日の出発式では加藤明良経産政務官や国交省の鶴田浩久物流・自動車局長があいさつ。小川春樹市長は高齢化や運転手不足などの課題を踏まえ「未来の交通システムを実現するための大きな一歩」と述べた。その後プロジェクト関係者がテープカットした。

式典後は、出席者らがJR大みか駅まで試乗し、自動運転を体感。車内に設置されたモニターでは運転席に座る乗務員がハンドルに触れずに走行する様子や、車両の周囲にいる歩行者や車両を正確に認識していることが確認できる。



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