「松風中」校名変更案、賛成少数で否決 日立市議会委 茨城
茨城県日立市の市立坂本中と久慈中を統合して4月に開校する「松風中学校」を巡り、市議会の教育福祉委員会(今野幸樹委員長)は3日、校名の変更を求めて住民グループが直接請求した条例改正案を、賛成少数で否決した。賛成1、反対6だった。4日の本会議で採決される予定。
久慈中の存続を求める住民グループ「松風中学校名の削除を求める会」は1月、法定数を上回る5403人分の署名を添え、新校名を松風中と定めた条例の改正を小川春樹市長に直接請求していた。
委員会に先立ち開かれた本会議では、同会の鴨志田征央共同代表が意見陳述した。新校名を検討した教職員や住民代表らでつくる統合準備委員会は「自由に意見できる状況になかった」などと主張。「公平性を欠いて決定され、地域にそぐわない校名。住民の郷土を愛する思いを尊重してほしい」と訴えた。
その後の委員会では、折笠修平教育長が「統合校の名称は適正な手続きにより決定された」と説明。条例改正案に賛成した委員が「5千筆を超える署名は重い」と述べた一方、反対した委員は「市議会や統合準備委が時間をかけて議論した結果を尊重したい」などと理由を述べた。
条例改正案は賛成少数で否決されたが、委員からは今後の学校再編に向けて、非公開で進められている統合準備委の進捗(しんちょく)状況などについて住民へのより丁寧な情報提供を求める意見が相次いだ。