東海第2原発 中央制御室で出火 環境への影響なし 茨城
日本原子力発電は4日、東海第2原発(茨城県東海村白方)の中央制御室内で、原子炉内の中性子線を計測する装置を管理する制御盤から出火があったと発表した。火は社員が消火器で消し止め、消防が火災と認定した。現場は放射線の管理区域外。けが人はいない。放射性物質の漏えいや環境への影響はないという。
原電によると、同日午後1時53分ごろ、社員が制御盤のスイッチを入れた約30秒後、制御盤の隙間からこぶし大の炎と煙が出て、制御盤の内部に高さ約10センチ、幅約30センチ、奥行き約15センチの範囲で焦げ跡ができ、黒いすすが付いた。
制御盤は原発運転時、管理区域内にある中性子線の量や分布を計測するセンサー(中性子検出器)を動かすもの。出火当時、原電は3人体制で制御盤の弁の作動試験を行っていた。作動試験は2009年以来。制御盤は11年の東日本大震災後に交換されて以降、使われたことはなかった。
原因について、原電は今後、詳細な調査を行う。電気系統のトラブルが推測されるとした。
中央制御室は原発全体の監視や運転操作を行う中枢部。運転していなくても24時間体制で社員らが常駐している。
東海第2原発では昨年度、火災が5件発生。原電は再発防止策を取りまとめたが、昨年11~12月にも2件の火災が発生している。
この日、記者会見した同原発の金井田秀二副所長は「中央制御室で火災を起こし、誠に申し訳ない」と謝罪し、「原因をしっかり究明し再発防止へ対応したい」と述べた。