酒門六差路さらば 水戸・四差路化 住民「安全へ前進」 茨城
茨城県水戸市酒門町の国道6号の「名物交差点」だった酒門六差路が4日、四差路に変わった。同日、六差路の北側約200メートルに都市計画道路の中大野中河内線酒門工区約1キロが全線開通。六差路を構成する県道下入野水戸線のバイパスとなったため、同線と6号との間の車両の出入りを封鎖した。多くの住民らが見届け、渋滞緩和や歩行者の安全確保などへの期待のほか、六差路との別れを惜しむ声も聞かれた。
酒門六差路は6号と県道2本の計3路線が交わる県内では珍しい交差点。県によると、60年近く前の1968年に6号の開通でこの形になった。信号待ち時間が一般に比べ長く、通勤・帰宅時間帯を中心に慢性的な渋滞が発生している。
同日は交通安全祈願式が開かれ、午後2時に酒門工区の残り約200メートルが開通。市街地を南北に貫く都市計画道路の梅香下千波線から6号までの2.6キロが4車線で結ばれた。狭小な下入野水戸線のバイパス機能も果たす。6号と同路線の接続部分には車両進入を防ぐバリケードが設置され、酒門六差路は「酒門町北」交差点に改称された。
式典に参加した地元の吉田地区の自治会長、山崎次男さん(77)は「少しでも渋滞緩和してほしい」と期待。酒門地区の自治会長、苅谷一郎さん(76)は「渋滞回避のため周辺の細い道が使われている。(今回の変化は)地域の安全へ大きな前進」と語った。
沿道から四差路化を見届けた近隣住民の米田光男さん(91)は「六差路は名物だったので、寂しさはある。(車両封鎖は)遠回りになり多少不便だが、歩行者や環境に良いことなので協力したい」と話した。
県は今後、交通量調査を実施し、渋滞緩和などの効果を検証するという。