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鉾田PFAS 新たに14カ所 最大18.6倍 井戸、原因は不明 茨城

鉾田市内の井戸水の調査結果について発表する県環境対策課の担当者ら=県庁
鉾田市内の井戸水の調査結果について発表する県環境対策課の担当者ら=県庁


有機フッ素化合物「PFAS」のうち発がん性が指摘される代表物質「PFOA」「PFOS」の合算値が茨城県鉾田市内の井戸4カ所で国の暫定目標値を超えた問題で、県と同市は7日、新たに調査した周辺14カ所の井戸で基準の超過が確認されたと発表した。同日、確定値が出た。最大は基準の18.6倍だった。原因は依然不明で、県と市はさらに広範で調査を進める。

国の暫定目標値は水1リットル当たり50ナノグラム。県環境対策課によると、対象とした飲用井戸19カ所のうち、14カ所で基準を超過した。調査範囲別の水1リットル当たりの最大値は、造谷地区が930ナノグラム▽大戸地区が710ナノグラム▽徳宿地区②が520ナノグラム▽同地区①が420ナノグラム-だった。1月21日に採水し、分析機関に委託していた。健康被害は確認されていない。

調査は環境省の手引に基づき、前回調査で超過した鉾田川流域周辺の4カ所の井戸から、それぞれ約500メートル離れた位置にある飲用井戸を複数選定した。新たに超過が判明した井戸を巡っても、同様の距離で範囲を広げ調査する予定。

14カ所の井戸の設置世帯には、分析の速報値を踏まえ、2月4日の時点で水道への切り替えなどを指導した。該当井戸の半径約500メートル以内の計324世帯に対しても、市が戸別訪問を実施中で、飲用を控えるよう呼びかけている。

同河川では22、23両年度に県が実施した調査で、基準の約1.4~2倍を検出。市が昨年、流域周辺の地下水を調べ、一部で目標値超過の疑いが判明した。これを受け、県と市が12月から流域周辺7カ所の井戸水を調査。徳宿地区の1カ所で基準の15.4倍を検出するなど、計4カ所での基準の超過が判明した。

新たな調査結果を踏まえ、岸田一夫市長は「市民の不安をいかに解消するかが重要。情報の正確性を担保すべく、国の指導を仰ぎながら県と連携して原因究明に努める」とコメントした。またこの日の記者会見で、県環境対策課の市村雄一課長は「さらに範囲を広げて調査しないと物質の広がりは分からない。速やかにやりたい」と説明した。

PFOAは水や油をはじく製品の加工や界面活性剤など、PFOSは泡消火薬剤や半導体製造など幅広く使われてきた。ともに現在は製造・輸入が原則禁止されている。



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