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茨城県 時給35円超、賃上げ支援 新年度方針 企業の人材確保

茨城県庁=水戸市笠原町
茨城県庁=水戸市笠原町


茨城県内企業の賃上げを後押しするため、県が時給を1010円以下から35円以上引き上げる事業者を支援する方針を固めたことが10日、関係者への取材で分かった。人口減少などに伴う人手不足が深刻化する中、企業の人材確保を促す。26日に開会する県議会第1回定例会に、新年度の当初予算案として提案する。

複数の関係者によると、県は従業員などの時給を1010円以下から35円以上引き上げる事業者向けの補助として、必要な費用を支援する。新年度当初予算案に、7億8700万円を盛り込む方針を固めた。

茨城県では2024年10月、最低賃金が52円増の時給1005円に引き上げられた。一方、大井川和彦知事は「茨城県の経済実態を踏まえれば、最低賃金額は1040円程度が相当」と指摘し、さらなる賃上げの必要性を訴えていた。事業者の賃上げを支援することで、人手確保につなげてもらう狙い。

原材料費やエネルギー費用の高騰などを背景に、厳しい経営環境にある中小企業の価格転嫁を促すため、相談窓口の設置や専門家派遣にも新たに乗り出す。このほか、生産性向上による持続的な賃上げを促すため、設備投資を支援する奨励金事業も本年度に引き続き盛り込む。

また、路線バスなどを中心とする地域公共交通の経営改善も支援する。業務効率化や人手不足が深刻な運転士確保のほか、タクシー事業者向けに配車アプリなどの導入も促す。必要な費用として、3億8800万円を盛り込む方針だ。

労働時間の上限規制適用に伴う「2024年問題」を背景に、県内の公共交通事業者は人材確保や経営維持への対応が深刻化している。こうした状況を受け、県議会は昨年、「交通政策・物流問題調査特別委員会」を設置し、財政的な補助も含めた交通事業者らへの支援拡大や、利用促進策などを提案していた。

いずれも26日に開会する県議会第1回定例会に、新年度の当初予算案として提案する。



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