ハマグリ密漁防止へ協定 防犯カメラ映像共有 神栖市・海保・漁協 茨城
![協定を締結した銚子海保の横山秀和部長と神栖市の石田進市長、はさき漁協の才賀正紀組合長(左から)=同市役所](https://ibarakinews.jp/photo/17393687275764_photo1_001.jpg)
![摘発された密猟されたハマグリ。夜間に約70キロも密漁する悪質なケースもあった=神栖市波崎(銚子海上保安部提供)](https://ibarakinews.jp/photo/17393687275764_photo2_001.jpg)
茨城県神栖市の波崎海岸で近年多発しているハマグリ密漁を阻止するため、同市と銚子海上保安部、はさき漁業協同組合は合同で防犯カメラの活用に乗り出した。3者は12日、「防犯カメラの密漁対策利用に関する協定」を締結した。市が管理する防犯カメラのライブ映像を共有することで、密漁の抑止や取り締まり強化につなげるのが狙いだ。
防犯カメラの設置場所は波崎海岸砂丘植物公園と波崎海水浴場に隣接する県管理の休憩施設「サンサンパーク」(いずれも同市波崎)の2カ所。設置作業が現在進んでおり、3月中の運用開始を目指すという。
二枚貝の資源保護のため、同市内で潮干狩りができるのは日川浜海岸(同市日川)の一部に制限されている。市は規制看板や広報紙などでルールの順守を呼びかけていたが、禁止区域での密漁が絶えず、より効果的な対策として防犯カメラの導入を決めた。
同海保によると、昨年は密漁者から約465キロのハマグリを押収。2022年の約38キロ、23年の約185キロから急増した。
昨年11月には一夜のうちに3人の男性が砂浜に軽トラックなどで乗り付け、それぞれ別途に約70キロのハマグリを密猟していた悪質なケースも確認された。
密漁者が増えている一因には、稚貝の放流や漁協の漁獲量制限といった資源保護の取り組みにより、鹿島灘ハマグリの個体数が回復しつつあることが考えられるという。
防犯カメラで海岸の様子を確認できるようになれば、同海保はパトロールの戦略が立てやすくなり、効果的な取り締まりや密漁の抑止が期待できる。映像を見た市やはさき漁協が同海保に情報提供することも容易になる。
締結式で、石田進市長は「ハマグリは漁協の皆さんの大事な水産資源。悪質な密漁を取り締まることが協定の意義」と強調。はさき漁協の才賀正紀組合長は「密漁はわれわれの死活問題。大変感謝している」、銚子海保の横山秀和部長は「有効に活用し、地域の安心安全に役立てていきたい」とそれぞれ語った。