茨城県予算案に緊急経済対策 賃上げや人材確保
![茨城県庁=水戸市笠原町](https://ibarakinews.jp/photo/17393689349403_photo1_001.jpg)
茨城県は、2025年度当初予算の一般会計を前年度比1.0%増の1兆2640億円規模とする方針であることが12日、分かった。県内事業者の賃上げや価格転嫁の支援に加え、外国人材の確保、医療や福祉現場への光熱費の支援なども盛り込むことで、経済対策を進める考え。同日、県議会主要会派に対する事前説明があり、明らかになった。
新年度は経済の好循環に向けた緊急対策として、従業員などの時給を1010円以下から35円以上引き上げる事業者を対象に必要な費用を補助。経営改善に取り組む公共交通事業者の業務効率化や運転手確保なども支援する。
物価高騰に向けては、病院、診療所など医療機関のほか、高齢者施設などの福祉施設、私立学校を対象に光熱水費を支えるため、26億7千万円を盛り込む。中小事業者の価格転嫁を促すための相談窓口や中小企業診断士派遣も進める。
外国人材の確保や育成は、本年度に引き続き力を注ぐ。海外の教育機関と連携した日本語講座の運営、外国人材と県内企業とのマッチング支援などに2億5600万円を計上。外国人材の適正雇用を促すための啓発や巡回指導なども実施していく。
県内における医師不足の解消を目指し、医大生向けに貸与している修学資金を増額し、11億4800万円を盛り込む。貸与金額をこれまでの月15万円から、国公立大で月20万円、私立大で月25万円に引き上げるとともに、返還免除の条件を見直す。
26年度から4年制化を目指す県立中央看護専門学校(笠間市)の施設改修には2億3200万円を計上。不妊治療のうち保険適用外となる先進医療に対する支援を図るほか、新生児の先天性疾患に対する生後早期検査の実証事業費も盛り込んだ。
観光面では、22~24年に県内で繰り広げられた「茨城デスティネーションキャンペーン(DC)」を生かし、国内外からの誘客促進を進める。日立市と日立製作所の協働によるスマートシティー実現に向け、モデル的な取り組みに対する支援も進める。