世界の食と農 学ぶ JICA筑波「地球ひろば」 体験型展示施設が開所 茨城
![食事の模型で日本の食料自給率が学べる展示=つくば市高野台](https://ibarakinews.jp/photo/17395171442097_photo1_001.jpg)
「世界の食と農」をテーマにした体験型の展示「地球ひろば」が、茨城県つくば市高野台の国際協力機構筑波センター(JICA筑波)に開所した。展示物に触れながら日本の食料自給率の現状や多様な食文化、開発途上国の農業の課題などについて知ることができる。クイズやシミュレーションゲームもあり、子どもから大人まで楽しく学べる内容となっている。
8日に開所した地球ひろばは開発途上国の現状や国際協力について紹介するJICAの展示スペースで、東京、名古屋、札幌に次いで4カ所目。一般開放されているJICA筑波「けやき棟」の1、2階に整備された。
1階は食と農の展示が並び、食料自給率のコーナーでは、6種類の食事の模型とディスプレーを設置。好きな食事を選んでトレーを台に置くと、それぞれの食材の自給率や輸入先が表示される仕組みになっている。食材を輸入できなくなった時の質素なメニューも紹介し、日本の食生活が海外産に支えられている状況を視覚的に伝える。
世界の食文化を紹介するコーナーでも工夫を凝らし、フィジーやパレスチナなどの伝統的な料理を模型で再現。コメ、トウモロコシ、麦などと、地域によって主食が異なることも解説している。
農業に関する展示では、コメのクイズやイネの標本などを通じ、国内外の農業に目を向けてもらう。開発途上国の人たちが安定した暮らしを送るにはどうすれば良いか考えてもらうため、野菜作りのシミュレーションゲームも設置。アフリカでの普及を目指して開発されたネリカ米の作付けなど、JICAの支援事業も紹介する。
2階は世界の民族衣装を並べ、試着も可能だ。シアター空間も整え、JICA筑波の活動映像を流す。
JICA副理事長の宮崎桂さんは地球ひろばの開所について「食を通じて日本が世界とつながっていることを知ってもらいたい」と説明。「実物そっくりの食品模型やクイズなど、親しみやすい展示になっている。幅広い世代の方々に足を運んでもらえれば」と話した。
家族3人でつくば市から訪れた女性(62)は「食料自給率の低い食材が意外に多くて驚いた。海外と日本のつながり、農業の大切さを改めて感じることができた」と話していた。