鎮火に住民安堵 常総火災 17時間後「やっと」 茨城

13日午後に茨城県常総市で発生した火災は、強風にあおられ火の手を拡大し、約17時間後の14日朝まで燃え続けた。防災行政無線などで鎮火の知らせが入ると、周辺の住民は安堵(あんど)の表情を見せた。延焼を食い止めた消防に感謝の声も上がった。警察などは同日、常総市のほか、同時刻に出火した坂東市の火災現場も含め本格的な調査を始めた。
炎上した常総市の工場現場の隣で、金属などのリサイクル業を営んでいる会社の男性は、「資材に燃え広がらないか心配だった。火が収まってよかった」と安堵した様子だった。坂東市の70代女性は「火災の日は、家にいても焦げ臭いにおいがした。ようやく鎮火してくれてホッとした」と話した。
同日午後4時ごろ、常総市坂手町では、くすぶった臭いが残る中、警察や地元の消防が調査を進めていた。
現場には溶けたプラスチック類が散乱。焼けた軽乗用車は塗装や窓ガラスが溶け、骨組みだけになっていた。事務所などの壁も熱で崩れ落ち、建物周辺を覆う壁の一部は道路にはみ出していた。
同県坂東市大口では、消防隊員らが急斜面の所々焼け焦げた木々の間を縫うようにロープを使って火災現場まで下り、調査を始めた。消防団員の男性は「まだ火がくすぶっていた」と驚いた様子で話した。県西南広域消防本部によると、坂東市大口の調査を開始したところ、白煙を発見。間もなく消し止めたという。
常総市と坂東市にまたがる現場周辺の木々や田畑の枯れ草は一面真っ黒だった。常総市坂手町の男性(81)は「消防の人たちが顔をすすで真っ黒にして活動してくれていた。大きな火事であの強風の中、あの程度で済んだのは不幸中の幸いだった」とほっとした様子だった。