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洋上風力発電に期待 鹿島港 基地港湾完成でセミナー 茨城

鹿島港の洋上風力発電整備を取り扱う埠頭の完成を報告したセミナー=神栖市大野原
鹿島港の洋上風力発電整備を取り扱う埠頭の完成を報告したセミナー=神栖市大野原


巨大風車など洋上風力発電整備を陸上で事前に組み立てるための基地港湾に指定されている鹿島港外港地区埠頭(ふとう)の完成報告会と、最新の洋上風力発電動向について学ぶセミナー(国土交通省関東地方整備局主催)が15日、茨城県神栖市大野原のアートホテル鹿島セントラルで開かれた。地元企業などの代表者ら約200人が参加し、港湾完成による今後の地域経済の発展に期待した。

洋上風力発電は、2050年までのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量を実質ゼロにする)達成に向けての切り札として期待されており、国はこれまでに七つの基地港湾を指定し、鹿島港は20年に太平洋側唯一の基地港湾となっている。

事業は同年度から着工され、総工費は約100億円。水深12メートルで長さ2000メートルの岸壁のほか、同じく水深12メートルの航路・泊地、重厚長大な部材の仮組み立てに耐えうる地盤強化を進め、昨年10月末に完成した。今後、千葉・銚子沖や鹿島港内などでの発電に向け、利活用が期待されている。

セミナーでは同省港湾局の担当者が国のクリーンエネルギーの方針について説明しながら、既に洋上風力発電の運転を開始している秋田港・能代港の事例を紹介。地元企業による建設・メンテナンス専用船や超重機船が新造されたことや、運営・保守専門会社が設立されたことなどを挙げた。続いて、県と同県鹿嶋市の担当者がそれぞれの取り組み状況を説明した。

同省の稲田雅裕港湾局長は「皆さまのご尽力で完成した。鹿島港が再生可能エネルギーの拠点としての役割をしっかりと果たして、引き続き、この地域の持続的な発展を支えるインフラとして利活用されることを願っている」と話した。



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