早咲きの梅花 見つけて 水戸市植物公園でツアー 茨城

茨城県水戸市小吹町の市植物公園の梅林で16日、早咲きのウメを探し歩くツアーが開かれた。西川綾子園長がガイドを務め、紅白梅以外の品種の多様性や水戸がウメの街となった歴史など、「水戸流観梅」のポイントについて解説。参加者約20人は梅林で、つぼみの中にほころぶ一輪を見つけては香りを確かめたり、青空を背景に写真を撮ったりして、この時期ならではの鑑賞法「探梅」を楽しんだ。
西川園長は、植物公園と偕楽園でそれぞれウメの剪定(せんてい)の仕方が違うことについて説明。「偕楽園は『見せる』切り方で好文亭から美しく見えるよう古い枝を伸ばす。うちは風通しを良くして老木を若返らせる『守る』切り方」と解説し、参加者は感嘆の声を上げた。
出発前の座学では、徳川斉昭が非常食になるとして偕楽園にウメを植えた歴史を紹介。花が黄色い「黄金梅(おうごんばい)」や、一株に白と桃色の2色が咲く「月宮殿(げっきゅうでん)」、水戸ゆかりの「家康」など、多様な品種について、それぞれ解説した。
参加した同県小美玉市の石井節子さん(69)は「水戸とウメの歴史を知ると見方が変わる。93歳の母とまた来たい」と話した。
ツアーは植物公園と県が共催する梅フェスタの一環として実施。植物公園のウメは今月末にも見頃を迎えるという。