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「空飛ぶクルマ」の影響調査 建築研、騒音や振動 つくばで実証実験 茨城

実験で使われている空飛ぶクルマ(手前)=つくば市上境
実験で使われている空飛ぶクルマ(手前)=つくば市上境
実証実験で垂直離陸する「空飛ぶ車」=つくば市上境
実証実験で垂直離陸する「空飛ぶ車」=つくば市上境


次世代の乗り物として注目を集める空飛ぶクルマの普及に向け、都市や建築上の視点から課題を洗い出す実験が18日、茨城県つくば市上境のつくばヘリポートであり、報道陣に公開された。国立研究開発法人建築研究所(同市)が中心となって取り組み、本年度は騒音や振動など周囲への影響を調査する。

使用する機体は中国製で2人乗り。8本のアームに計16枚のプロペラが付いている。大きさは全長7メートル、幅7メートル。バッテリーで動き、航続距離は35キロ。パイロットは搭乗せず、事前にプログラミングされたルートを自動飛行する。価格は5000万~6000万円程度。

実験は15、16、18日の3日間実施。敷地内に設けたプレハブ小屋に風速や騒音、振動を計測する機器を置き、機体がどの程度の影響を与えるかデータを集めた。比較のためにヘリコプターも使って調査している。

実験を担当する企業AirX(東京)によると、空飛ぶクルマはヘリコプターより音が静かで、垂直離着陸ができるため狭い場所で運用できるのも特徴。多数のプロペラを備えることで安定性もあるという。

公開実験では無人の空飛ぶクルマを3回飛行させた。離陸後は敷地内のプレハブ小屋周辺の高度30メートル付近を周回し、高度100メートル地点でもホバリングした。

同研究所によると、空飛ぶクルマの普及には離着陸場の整備が課題の一つ。建物の屋上に造られることも予想されている。

同研究所の宮内博之上席研究員は「都市や建築の視点で言うなら、何が問題なのかまだ明らかになっていない」と指摘した上で、「風や騒音の影響を調査しながら、社会的な受容性、離着陸場の設置場所などの研究を中長期的に進めたい」と話した。



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