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茨城県中央病院・こども病院 統合 水戸IC周辺新設へ

記者会見する大井川和彦知事=県庁
記者会見する大井川和彦知事=県庁


茨城県の大井川和彦知事は19日の定例会見で、県立中央病院(同県笠間市)と県立こども病院(同県水戸市)を統合する方針を発表した。人口減少や少子高齢化が進む中で、将来にわたって県央・県北地域を担う医療提供体制の維持や強化につなげる。新年度に基本構想の検討に着手し、10年以内の新病院開院を目指す。

新病院は県央・県北の高度急性期医療のほか、地域の高度医療の機能分担として両病院の強みを生かし「がん」「小児」「周産期」の各医療を提供する。建設候補地は常磐自動車道の水戸インターチェンジ(水戸市)を中心にアクセスの良い場所にする方針だ。

県は今回の統合を水戸保健医療圏6病院再編の一歩に位置付ける。水戸、笠間など6市町を範囲とする同医療圏には両病院のほか「水戸協同」「水戸済生会総合」「水戸医療センター」「水戸赤十字」の計六つの大規模病院があるが、機能重複や建物の老朽化などの課題を抱える。

さらに、昨年4月に始まった医師の残業規制に伴い、筑波大から「各病院に一定程度の医師を派遣し続けることは厳しい」との意見が出ているという。

こうした背景から、地元の医療機関や自治体、医師会などで構成する「水戸地域医療構想調整会議」は今年2月、6病院を二つの拠点病院を中心とした病院群に再編する方向性で合意した。県立の拠点を先行して検討し、議論をけん引することで、ほか4病院の統合・機能分担に向けた協議を加速させたい考えだ。

再編は2015年から議論されてきた。具体的な狙いには人材など医療資源の集約▽手術支援ロボットなど医療機器導入の負担減▽小児・周産期機能の県立病院への集約▽充実した環境を生かし医療人材確保-などが挙がる。

会見で、大井川知事は「病院が互いに機能を分け合いながら補完し合う形で、地域医療のとりでとなれるような強い医療体制をつくることを期待したい」と述べた。

■移転は影響大きい 茨城・笠間市長

茨城県が発表した県立中央、こども両病院の統合方針を受け、県立中央病院が立地する同県笠間市の山口伸樹市長は、同病院の「外来・入院患者の約半数が笠間市民」とした上で、「移転に伴う影響は極めて大きい。受診環境が維持できるよう、新たな立地場所や関連施設などについて今後の動向を把握し、対応していく」とのコメントを発表した。



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