聖徳太子立像 命日に開帳 県内外から拝観者 水戸・善重寺 茨城

茨城県水戸市酒門町の善重寺(藤本貫大住職)で22日、国の重要文化財「聖徳太子立像」の開帳があった。同寺が聖徳太子の命日に1時間のみ行っており、貴重な文化財を一目見ようと、県内外から多くの拝観者が訪れ、手を合わせた。
同像は鎌倉時代に作られ、江戸時代に徳川光圀が同寺に寄進した。木造で高さ約1.3メートル。左手に柄香炉(えごうろ)を持ち、父親である用明天皇の病気回復を祈る太子16歳の姿とされる。りりしい顔立ちや立ち姿は生身のようで、保存状態の良さから日本を代表する立像に数えられる。拝観者は、県立歴史館の蔀政人学芸員の解説に耳を傾けていた。
市内から夫婦で訪れた高丸晃司さん(70)は「見る位置によって像の表情が変わることに驚いた。気持ちが安らいだ」と話していた。