守谷ごみ処理場 復旧未定 火災原因、小型充電池か 外部委託で負担増 茨城
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茨城県守谷市野木崎のごみ処理場「常総環境センター」が昨年12月の火災発生後、施設復旧のめどが立っていない。センターは当面の対策として、一部ごみの搬出を県外2カ所の民間施設に委託した。火災は、リチウムイオン電池などの小型充電式電池が混入して発火した可能性がある。自治体は電池の回収場所を増やすなど、事故防止に取り組む。ごみを巡る住民の啓発も対策の大きな鍵となっている。
火災は昨年12月9日午後1時半ごろに発生した。資源化施設で不燃ごみを処理中に破砕物から出火、約21時間後の翌10日午前10時10分ごろに鎮火した。
資源化施設は全損し復旧のめどは立たず、修繕費用も分かっていない。そのため、処理できない不燃ごみは近くの仮置き場に集め、千葉、栃木両県の民間施設に運び、処理を委託している。外部搬出の費用は2025年度の1年間で約5億円を見込み、センターを共同運営する常総、取手、守谷、つくばみらい4市で負担する。
センターによると、出火の原因は特定されていないが、現場の状況から、ごみに混入したリチウムイオン電池などの小型充電式電池が発火したとみられる。小型充電池は強い衝撃で発熱・発火の恐れがあり、特にリチウムイオン電池は可燃性が高く、被害が大きくなりやすいという。法律でメーカーによる回収とリサイクルが義務付けられている。4市ではこれまで市役所窓口で回収してきた。
だが、センターでは充電池を原因とするぼやが毎年起きているという。手作業で危険物を除去しているが、小型充電池は小さかったり、製品に内蔵されていたりするため、完全に取り除くことが困難だ。ここ10年は小型充電池内蔵の製品が増え、スマートフォンや電子たばこ、ハンディファン、モバイルバッテリーなどの混入が目立つという。
今回の火災を受け、4市は小型充電式電池の回収場所を、公民館や図書館などにも設置し、増やした。広報紙でも適切な分別を呼びかける。電池メーカーなどでつくる一般社団法人「JBRC」も、家電量販店やホームセンターなどの協力を得て回収を進めており、常総環境センターはホームページで協力店を紹介している。
センターの稲川光一所長は「リチウムイオン電池のごみ混入は非常に危なく、身近な製品に使われていることを知ってほしい。事故防止には家庭でのごみ分別が最も重要。また外部搬出量を減らすため、不燃ごみの減量にも協力してほしい」と強調した。