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《ウクライナとともに》「早く戦争終わって」 常総に避難・イリーナさん 祖国の家族へ尽きぬ心配 茨城

常総市での生活について語るヴィテリアック・イリーナさん=同市水海道諏訪町
常総市での生活について語るヴィテリアック・イリーナさん=同市水海道諏訪町


ロシアのウクライナ侵攻から24日で3年。ウクライナは国土の約2割をロシアに占領され、激戦が続く。日本には現在、約2000人のウクライナ避難民がいるとみられている。侵攻が始まった2022年にウクライナから日本に避難してきたヴィテリアック・イリーナさん(29)は茨城県常総市で生活を続ける。日本での交友関係が広がる一方、家族が残る祖国への心配も尽きず、「早く戦争が終わってほしい」と平和を願う。

イリーナさんはウクライナの首都キーウ出身。22年5月に日本に渡り、国のマッチングで常総市が受け入れ先となったことで同年7月から住み始めた。

暮らし始めて約2年半。現在は多くの友人ができ、趣味のドラム演奏、音楽活動を楽しんでいる。同県つくばみらい市の音楽グループや和太鼓グループに所属して精力的に活動。常総市など地域のイベントで歌を披露している。「音楽がとても好きで、ストレスやウクライナに対する心配を紛らわせてくれる」と表情を和らげた。

日本でさらにたくさんの経験を積みたいと考えている。日本語を上達させ、「翻訳の仕事をやってみたい」と目標を語る。同県つくば市のインターナショナルスクールで音楽を教えていることから、「日本の教育システムの良い部分を学んでウクライナに持ち帰りたい」と意欲を示す。

一方で、侵攻を受ける祖国を巡る不安も大きい。祖国には父や母、弟など家族のほか、多くの友人が残っている。

現在、家族とは週に3回ほど電話で連絡を取っているという。しかし、昨年ロシア軍によってウクライナの発電所などが攻撃された際は、インターネットがつながらず家族と連絡が取れなくなり「とても心配になった」と振り返る。

加えて3年もの間、戦闘が続いたことで「ウクライナの人たちはとても疲れてきている」と説明する。国際社会の支援疲れにも懸念を示し、「戦争の終結にはサポートが必要。特に欧州パートナーの支援が非常に重要だ」と指摘した。

長期にわたり避難しているウクライナ人たちにとって、「自分のルーツを忘れないようにすることが大切だ」と強調する。「他の国に長く住んでいても、ウクライナ語を話したり、ウクライナの文化をその国の人たちに教えたりしてほしい」と、自身と同じく祖国を逃れた同胞たちに願いを込めた。



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