J2水戸新スタジアム 水戸市長、公設に否定的 「市民の理解得られない」 茨城

サッカーJ2水戸ホーリーホックが新たなスタジアム建設の構想を見直したことについて、茨城県水戸市の高橋靖市長は25日、現在同チームが示している「公設」の方針に対し、否定的な考えを示した。同チームのホームタウン推進協議会長も務める高橋市長は「今、新たに200億円のハード事業を持ち込むのは全く市民理解が得られない。(既存施設の)改修も、提案があったとしても『自分の金でやって』と言わざるを得ない」と語った。市の定例会見で報道陣の質問に答えた。
J2水戸は、市が所有する同市小吹町のケーズデンキスタジアム水戸を本拠地とするが、収容人数がJ1基準の1万5000人に満たず、2019年11月に民設民営での新スタジアム建設の計画を発表。だが、昨年4月、建設資材や人件費高騰を理由に民設から方針転換し、今年1月末は28年完成予定の延期や、建設費が150億~200億円を見込むとし、構想見直しを明らかにしていた。
市によると、新スタジアム建設構想の発表前、市は19年9月の補正予算案で、ケーズスタの観客席増設の改修に向けた基本計画費500万円を計上し、J1基準を満たす方針を示して議会の承認を得ていた。ただ、同11月の新スタジアム構想発表を受け、予算は未執行に終わった。高橋市長は当時の民設発表に「何の協議のないまま発表があった。もう1回改修と言われても虫のいい話。当時はケーズスタ改修なら30億~40億円の費用と言われたが、今やったらその倍。市民理解には厳しい」とも発言した。
一方で、同協議会長として周辺の環境整備や法的手続きの円滑化には取り組むと説明。「堂々と昇格できるようなポジションへ成長してほしい」とも述べた。
■「広く選択肢を」 J2水戸・小島社長
茨城県水戸市の高橋靖市長が25日の定例会見で、J2水戸の新スタジアム建設構想の「公設」について否定的な考えを示したことを踏まえ、J2水戸の小島耕社長は建設地などについて、「(同市を含めた全ホームタウン)15市町村と県へ、広く選択肢を広げなければいけない段階に来ている」と語った。
J2水戸は2019年、前任の沼田邦郎社長時代に民設民営での計画を発表。小島社長は当時を「市とクラブ側でディスコミュニケーションがあった」と認めた上で、「(設立の)第一選択肢は水戸市でありたい。競技成績など機運を上げ、考えを少しずつ変化してもらえれば望ましい姿。だが、難しいのであれば間口を広げる選択肢が出てくる」と考えを示した。