【速報】茨城・常総水害訴訟 二審も国の責任認める 賠償額は減額 東京高裁判決

2015年9月の関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防決壊などによる浸水被害が起きたのは国の河川管理の不備が原因として、茨城県常総市の住民らが国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は26日、国の責任を認めた一審水戸地裁判決を変更し、同市若宮戸地区の住民9人に計約2850万円の賠償を命じた。一審よりも約1000万円減額となった。一審に続き、水害を巡る裁判で国に賠償を命じる判決は極めて異例。
控訴審では、国の河川管理や改修計画の進め方の合理性が争われた。原告側は若宮戸地区で自然の堤防になっていた砂丘を国が河川区域に指定しなかったため、太陽光発電事業者による掘削で堤防としての機能が失われたと主張。さらに同市上三坂地区で決壊した堤防は高さが不十分だったのに、国が改修を急がなかったためと訴えた。一方、国側は計画的かつ段階的に進めたと主張した。
常総市では当時、鬼怒川沿いの上三坂地区で堤防が決壊し、若宮戸地区など7カ所で水があふれるなどして、市の総面積の約3分の1に当たる約40平方キロが浸水、5000棟以上が全半壊した。市内で2人が死亡、13人が災害関連死に認定されるなど甚大な被害を受けた。