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安藤氏「誠に光栄」 江崎玲於奈賞 つくばで表彰 茨城

江崎玲於奈賞を受賞した安藤敏夫氏(中央)=つくば市竹園
江崎玲於奈賞を受賞した安藤敏夫氏(中央)=つくば市竹園


ナノサイエンス、ナノテクノロジー分野で世界的な業績を上げた国内研究者を表彰する「第21回江崎玲於奈賞」の授賞式が26日、茨城県つくば市竹園のつくば国際会議場で開かれた。革新的な顕微鏡を開発し、タンパク質分子が働くメカニズムを解明した金沢大ナノ生命科学研究所特任教授の安藤敏夫氏(73)に賞状と盾が贈られた。

安藤氏は試料の表面を鋭利な探針でなぞって高解像で可視化する原子間力顕微鏡(AFM)という分野で、従来よりも千倍ほどの速さで撮像できる装置を開発し、さまざまなタンパク質の機能動態を明らかにした。

この高速AFMは生命科学分野で活用されているほか、医薬品や半導体分野でも利用され始めている。産業界に幅広く貢献することが期待されている。

授賞式で安藤氏は「誠に光栄。私の研究には同僚や多くの学生が協力してくれた。この場を借りて感謝申し上げる」と謝辞を述べた。協賛の関彰商事からは副賞1千万円が贈られた。

県内研究者を対象とする第35回つくば賞、第34回つくば奨励賞の授賞式も行われ、賞状などが贈られた。

審査委員長でノーベル物理学賞受賞者の江崎氏はビデオメッセージを寄せ、「(安藤氏らの)研究は科学技術の発展に大きく貢献する優れたもの。この中からノーベル賞受賞者が誕生することを期待している」と祝福した。

各賞の受賞者は次の通り。(敬称略)
▽つくば賞
谷口尚(物質・材料研究機構)渡辺賢司(同)

▽つくば奨励賞(実用化研究部門)
張晗(物質・材料研究機構)

▽つくば奨励賞(若手研究者部門)
平野有沙(筑波大)



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