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《広角レンズ》有機給食 鍵は供給 茨城県内導入の動き 生産少なく確保に課題

地元の有機野菜と有機米を使った給食を食べる児童たち=常陸大宮市北町の市立大宮小(画像の一部を加工しています)
地元の有機野菜と有機米を使った給食を食べる児童たち=常陸大宮市北町の市立大宮小(画像の一部を加工しています)


有機農業で育てた農産物を使った「オーガニック給食」を採用する自治体が少しずつ増えてきた。茨城県教委よると、有機農産物を給食に取り入れるのは2023年度現在で9市町。ただ、有機農業を実践する生産者は県内で少なく、有機JAS認証を受けた農地面積も限られる。自治体の実情に合わせて有機農産物を確保し、安定供給する仕組みづくりが求められている。

「いただきます」。先月初め、同県常陸大宮市立大宮小学校5年1組の教室に元気な声が響き渡った。この日の給食は、市内産のコマツナやニンジンなど5品目の有機野菜と有機米を使った献立だった。

女子児童(11)は「苦手なニンジンが食べやすい」と喜び、男子児童(11)は「見た目に有機って分からない。けれど野菜の食感がおいしい」と笑顔を見せた。

同市の給食センターは1日当たり、約2700食を調理する。提供される有機野菜は現在、13品目に上り、有機米も一部使用している。生産者の一人、有機野菜農園「コトコトファーム」(同市国長)の古東篤(47)代表は「(給食で)地元で採れる食材を知ってほしい」と話す。

県教委によると、オーガニック給食を取り入れる自治体数は21年度が6市村、22年度が6市村、23年度9市町とわずかに増えた。同県石岡、潮来、つくばの3市は21年度から、県内初の「オーガニックビレッジ宣言」をした常陸大宮市は22年度から継続して取り組む。一方で1年限りとなった自治体もある。

同県行方、城里の2市町は23年度から加わった。城里町は町立常北学校給食センターで1日約1300食を提供。一部に町内産の有機野菜を使用する。協力してくれる若手生産者が増え「有機野菜の品目を徐々に増やしたい」(同センター)考えだ。

行方市は2カ所の給食センターで1日に計約2200食を調理。同年度は有機野菜を4品目使ってきたが、25年2月時点で地場産有機野菜の使用はゼロに。理由について、市立北浦学校給食センターの担当者は「提供したくても、有機農産物を納めてくれる業者が少なく、必要な量がそろわない」と話した。

県農業技術課によると、有機JASを取得した農地面積は23年現在、3万4851アールで、経営体は107。「農地全体の1%にも満たない」

常陸大宮市は23年の同宣言に伴い、地域ぐるみで有機農産物の生産、消費に力を入れてきた。27年度までに、自然由来の食材も取り入れ「100%オーガニック給食」の実現を目指している。

同市農林振興課は「一番の課題は物流体制」と課題を挙げ、「市内産だけでは間に合わない。必要な品目と量をそろえるため県内産、関東圏産も視野に入れている」とする。

JAやさと(石岡市)は市内の学校給食への提供に加え、昨年冬から、近隣市町村への供給支援を開始した。同JAの担当者は「有機農産物の供給体制は万全とはいえない」と指摘した上で、「子どもたちによりよい農産物を提供するため、要望があれば体制を整えたい」と話す。



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